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私達はいつも幸せだった。
ずっとマスターの贈ってくれる歌を歌えるのが幸せだった。
でもね、マスターの世界では幸せなだけじゃない、厳しい世界らしいんだ。
「ミク、どうしよう…。どうしよう…。」
マスターの声が震えてる、頭を抱えて、部屋の電気も暗い。
どうやら、ミクの歌った歌と酷似してる歌があったんだって。
それで、マスターが炎上というものをしてしまった。
マスター泣かないで、マスターは一人じゃないよ。ミクもいるよ。
マスターは悪くないよ、私は大好きだよあの歌。
ただ知らなかっただけ。ただマスターとミクの想いをのせただけ。
大丈夫だよ。マスター。
あぁ、どうやったらミクの声が届くのかな。
マスターの傍に行きたいよ、マスターのこと抱きしめて、頭ぽんぽんしてあげたいのに、
この透明な板一枚が私達の邪魔をするんだ。
それからマスターは顔を見せなくなった。
寂しいよマスター。早く歌、歌いたいな。
マスターが顔を出さなくなって1ヶ月。
久々にマスターが顔を出した
マスター！！
「ミク、もう、僕だめだな…。」
どうしたのマスター、目が腫れちゃってるよ、顔がやつれちゃってるよ、どうしたの…？
「ミク、今までありがとうな。僕はミクに歌を贈れて幸せだった。
本当にありがとう。大好きだよ。」
そんなのミクもだよ。マスターのこと大大大好き。マスターの歌が早く歌いたいよ。
そんなことを思ってたら、画面の向こうは真っ暗になった。
それからマスターはいくら待っても顔を見せなくなった。
マスターは何をしてるのかな、スランプに入っちゃったのかな。
ミクのために必死に考えてくれてるのかな。
どんな歌でもいいんだよ。早く歌いたいな。
マスター、次はどんな歌を歌わせてくれるの…？
頬に冷たい何かが伝う。これが、マスターの言ってた『涙』？
おかしいな、ミクは涙なんか流れないはずなんだけどな。
ねぇ、マスター。涙が流れるほどマスターを待ってるんだよ。
早く顔を見せて、大好きなマスター。
そう暗い画面に向かって思った。
終わり
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作者名：姫愛羅 | 作成日時：2023年8月23日 19時
