仮の彼氏。(今吉翔一)

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友人「振られた…ねぇ」

そう呟きながら友人は呆れたように笑った

貴方「っ…だから認めたくなかったのに!

女友達ってこういう時は笑ったりバカにしないで慰めてくれるもんじゃないの？」

友人「そりゃまぁ本当に振られてるなら慰めもするけどさぁ

笑いたくもなるよ、Aって本当に鈍いんだもん」

「ってかAは鈍すぎて残酷」

「私がAの事笑っても罰は当たらないと思う」

貴方「ええっ酷い。意味わかんないし酷い！」

「はぁ…絶ぼ...

友人「絶望はまだしないでいいんじゃない？」

貴方「？」

友人「どうせ絶望するなら今吉君に気持ち伝えてからにしなよ」

貴方「わざわざ振られてこいと？」

友人「振られるとは限らないじゃん」

貴方「何言ってるの、振られるに決まってるじゃん」

「こないだ別れたばかりなんだよ？」

友人「それでもこないだと状況は変わった。」

貴方「？」

友人「まぁまぁとりあえず伝えなよ、Aが気持ちちゃんと伝えて振られたら

今度こそ慰めてあげる」

「そーだなー駅前のパンケーキのお店！あそこで奢ったげる！」

「でもその代わり上手く言ったらAが私に奢って！」

「勿論バナナチョコにアイスのったやつ！」

貴方「あぁあれ美味しいよね…って、そうじゃなくて、それって…」

友人「そう！上手くいっても行かなくても幸せってやつよ！」

「やーAは私みたいな良い友人を持って本当幸せ者よね」

貴方「しあわせ…どっちの結果でも…え…?

ん…?でももし万が一上手く行ったら私が奢らないといけないんでしょ?」

友人「そうだけど、A振られると思ってるんでしょ。」

貴方「うん」

友人「だったらそんな約束あって無いようなもんじゃん」

貴方「そっか、まぁそうだよね…」

「でもパンケーキごときに振られたショックを癒やす力は…

友人「何言ってんの！パンケーキの威力は半端ないんだから！凄いんだから！ふわふわなんだから！！」

貴方「え...あ…うん？」

友人「よし！じゃあ今日の放課後ね！」

貴方「え」

友人「明日に持ち越したらA決意緩んじゃうでしょ！」

貴方「や、今も決意は…」

友人「とにかく放課後ね！今吉君が部活行っちゃう前に！ホームルーム終わったらすぐ行くんだよ！」

と、そのとき、五時間目の予鈴が鳴る

はぁ、彼女はなんだかヒートアップしちゃってたけど

それにつられちゃだめだ。

ちょっと落ちついて冷静に…

友人「逃げちゃ駄目だからね！」

貴方「……」

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