仮の彼氏。(今吉翔一)

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友人「ちょっっ！？A大丈夫？」

「顔色凄く悪いよ？」

貴方「え？」

友人「保健室言って来た方が良いよ」

貴方「でも授業が」

友人「先生には私から言っとくから！」

貴方「…わ、わかった...」

そんなに私顔色悪いのかな

もしかし顔真っ黒になってたりして、

だって、

あんなにも優しく気遣ってくれてる友人の恋を

私は応援できない。

それどころか振られてしまえだなんて…黒い事考えて、

全身が真っ黒になっててもおかしくない。

今吉君に、未練があるなら、好きならまだしも、

そんなもの、あるわけ無いし、

理由も無く友人の不幸を願うとか、最低。

本当、絶望的な人間だわ。

体調をくずしたのは罰がくだったのかもしれない。

そう思いながら保健室へ行くと、

保険医の先生も友人と同じように

先生「顔色悪いわね」

と、眉根を寄せてあまりに心配そうな顔をするから

思わず

貴方「私、顔、黒くなってます？」

なんて聞いてしまった。

先生は「何おかしな事言ってるの！」と呆れたように言って

ベッドで寝かせてくれた。


黒くなくてちょっとホッとした。

でもベッドに横になっても気持悪い、

こんなに気持ち悪いときっと眠れないだろうな….



そう思っていたのに、

いつの間に眠ってしまったんだろう。


ふと先生と誰かの話し声がかすかに聞こえて来て

意識が夢の世界から現実に引き戻された。


おかしな夢を見た。

ぼんやりと、さっき見たばかりの夢を思い出す

今吉君が保健室に私に会いにくる夢だった。

今吉君は、私の頭を付き合っていた時と同じように優しく撫でて

”早戻って来”と囁いでいた。

戻るってどこに？

あぁ教室か、

そう言えば今何時かな...

ハッと我に返ってベッドから勢いよく起き上がった。

時計を見るとちょうどお昼休みが終わった頃だった。

その時、ベッドを隠すカーテンが開かれて

「起きた？具合どお？」と、先生が尋ねて来た。

先生「まぁ、顔色はちょっとましになったかなぁ」

「どうする？もうちょっと休む？」

「それとも午後の授業行く？」

「あ！その前にお昼か！」

「お腹空いてる？」

先生は一人でペラペラと話す。

貴方「ええっと….」

先生「とりあえず、これ、さっき貴方に差し入れって貰ったから」

そう言って先生は購買の袋を渡す

貴方「私にですか？」

先生「そ！貴方に！」

何なんだろうと思いながら袋を受け取り中を見てみると

ポテサラサンドと珈琲牛乳が入っていた。

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