仮の彼氏。(今吉翔一)

13 ページ13

私が思うに、彼女というのは彼氏の前で可愛いものであるはず...

それなのに私は彼を前にすると緊張でまともに話せない。

こうやってついつい暴言ばかり吐いてしまう。

一度だって彼の前で可愛くなれた事は無い。

残念な女だ。

その上あばずれだ。

本当最低な人間。

貴方「はぁ、絶望する」

今吉「….」

ぎゅうううううう

貴方「ちょっっ////何！？////」

今吉「Aちゃんがかわええから抱きしめたなってもた。」

貴方「はぁ！？今の会話のどこに可愛い要素があったっていうのよ！」

「も、ちょっとっっ！！離して！！」

ほらね、またきつい言葉を発してしまった。

本当は彼に抱きしめてもらうの、好きなくせに。

恥ずかしくてつい嫌がるフリ。


彼はこんな私のどこが可愛いと言っているんだか。

もしかして今吉君、ドMなのかな。

いや….無いな

どっちかっていうとSっぽいし。

今吉「ん？Aちゃん、そんなにわしの顔見て、」

「チューされたいん？」

ギュム

今吉「っっだっっっっっっっ」

「ちょ、痛い、Aちゃん足踏まんといて」

貴方「…痛いのとか好きなのかと思って」

今吉「はぁ〜？何言うとるん、痛いのがええって、そんなわけないやろっっ」

そう言って今吉君が突然私を抱き上げて来た。

貴方「きゃっっっ」

「ちょっ何っっ！？」

「降ろしてっっ」

今吉「えー」

せやってAちゃん足踏むねんもん」

「いくら君の体重が軽いっちゅうてもな、結構痛いんやで？」

貴方「だって今吉君が変な事言うから悪いんじゃない」

今吉「わし別に変な事言うた覚えないけど」

貴方「！？言ったじゃない！私が貴方にキスしてほしいとかそんなっっ」

今吉「別に変な事ちゃうやろー？わしら付き合うとるんやから。」

「キスかてもう何度もしとるやん」

貴方「そ、、、れは、貴方が勝手にしてくるんでしょっっ」

「私はしたくてしてるわけじゃ….」

今吉「…へぇ」

貴方「何よ…」

今吉「そら知らんかったなぁ思て」

そう言って彼はそっと私を降ろした。

今吉「わしてっきりAちゃんもわしとキスするん好きなんやと思うとったわ」

貴方「な！？///そんな事あるわけない！！」

今吉「おん、ほなもうせえへんわ」

貴方「..え….?」

今吉「今まですまんかったなぁ」

なでなで

貴方「….」

今吉「あぁ、そろそろ予鈴鳴るな、教室戻ろか」

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す