ヨナ姫の身代わり2

63話 ページ13

貴女「……ん」


目を覚ますと当たりはすっかり暗くなっていて何人かは眠っていた


何人か……ていうかここにいる全員寝てるね



周りを見るとギガン船長とジェハの姿が見えない、が話し声が微かに聞こえるから起きているんだろう


貴女「これは私からの贈り物です


戻らない日々に 涙零して
見上げた空は あかく あかく 燃える

自分の強さ弱さ 気づけたのなら 今

君よ恐れるな
心 赴くまま 風を切り進む
その旅路を 暁が照らす

集え
猛き腕(カイナ) 千里の瞳
天(ソラ)を翔け行く脚 久遠の盾

古の誓い いま果たして
夜よ明けてゆけ

水面 落ちる 花一つ どこへ どこへ 流れ
誰が知るか 君王の 心はまだ雲の中

よぎる迷いを 貫くように
弓に矢つがえ とおく とおく 放つ

朱(アカ)の髪を なびかせて
生きる事を決めたなら
割れた爪も 傷跡も
明日への糧にして

君よ忘れるな
燃ゆる空の果てに いつか視た夢の
その欠片が 目覚め 待つだろう

君よ恐れるな
心 赴くまま 眼差しの炎
絶やさぬよう 君らしく進め

白き絆を交わし
青の夜に祈り捧げ
緑の種を蒔きて
黄金の実りを抱け」



久しぶりに舞を舞ったなぁ…と思ってると後から拍手が聞こえ振り返る

ジェハ「Aちゃん歌も歌えて踊れるってすごいね」


貴女「ジェハ…傷は？」


ジェハ「ん？Aちゃんの歌で治ってるよ
みんなもね」


貴女「そう…良かった」

寝ているみんなの方を向き成功して良かったと少し口角が上がった


ジェハ「……Aちゃんはヨナちゃんみたいに危機感がないなぁ……」


どういうことだろうと思いジェハを見ようとしたがジェハは私の頭を掴み、顎をあげた


貴女「ジェハ？顔が近い…」


顔を逸らそうとするものの頭も固定されていて逃げ出せない


ジェハ「…!!なんてね」


ジェハは私から手を離しいつものように微笑んだ

ジェハ「Aちゃんは戦闘の時は隙さえあまり見せないけどこういう時も危機感持たないと

襲われるよ」


貴女「!!大丈夫よ、こんな顔は誰も襲わないから」


そう言って微笑むと

ジェハ(Aちゃんは顔整ってる方だし仕草も可愛いから周りの男は結構虜になるんだけどね)

とジェハがそう思っているとは知らず私は


貴女「じゃあまた少し寝て町を回ろうかな

おやすみ」


ジェハ「えぁ!?あぁ、おやすみ」

そう言ってジェハとわかれた

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