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「さっきも言ったけど、亮ちゃんから全部聞いた」



「…全部って、」



「裕太、亮ちゃんに怒ってくれたんだって?

それに、私を守ってくれてた。ありがとう。」



「...」



「私のために1人で亮ちゃんのとこまで行って怒ってくれたって聞いた時すごく嬉しかった。



でもね、私には亮ちゃんを責める資格なんてないから。」




「は?なんで」




「...わたし、亮ちゃんに『好きは強い呪いみたいなものだね』って言わせちゃったから。



そんなこと言わせちゃうくらい無意識に彼を追い詰めちゃってたんだよ。私は。




まぁ、ちょっと泣きたくなっちゃったんだけど

わたし、亮ちゃん大好きだったからさぁ。




出始めた自分の芽を誰かが摘めなくなるくらいまで大きくなろうって切磋琢磨した仲間だったし。


そんな仲間が一瞬できえちゃった感じ?」



「...」




「…ぁ、また私悲劇のヒロインぶってる!?


あぁ、ダメだなぁ。直そうとしてるんだけど…

自分に酔う癖ついちゃったのかなぁ。


ふふ、こんなんだ...」

「もうやめたら?」




「え?」




「もうやめなよ、笑うの。



見てる俺が辛い。
泣きに来たんでしょ?泣けばいいじゃん。」




「それはっ、そう、なんだけど」




「Aはもっと自分勝手でもいいと思うよ


人の前だと強がるのAらしいけどさ、今日はそんなのしなくていいと思うけど?


前は俺に弱いとこ見せてくれてたじゃん。」



「...」



「亮ちゃんの裏切り者!ばか!って泣いたらいいじゃん。


何強がってんのさ。

頭大爆発しても知んないよ?



ちょっとくらい自分勝手に泣いたっていいじゃん」




「...っ、」





声を殺して泣いた。すごく泣いた。

...亮ちゃんのばか。





こんなに泣いたのは、、



昔、

付き合っていた人と別れを決めた日に指輪を貰った日以来かな。

うん、あの日以来。




泣く私に肩を貸してくれて、落ち着けるように背中を優しく叩き続けてくれる。




その優しさにも泣いた。



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れんり。(プロフ) - みなさん» すごく励みになるコメントありがとうございます!こちらの更新を待って下さる間、冬萌を読んで過ごして頂けると嬉しいです (2021年1月11日 22時) (レス) id: f1c4f19e3d (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - お話読んで、泣きました。 このお話の続き読みたいです!! よろしくお願いしますm(_ _)m (2021年1月11日 9時) (レス) id: c7556a56f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんり。 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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