バズーカ砲真っ二つ ニ ページ4
「そりゃ、アンタを守れるようになりたいんで」
「え……」
「誰に学んだか知りやせんが、アンタは強すぎる。だからアンタに勝てるようにならなきゃ、守れねぇじゃないですかィ」
「沖田さん……」
剣の交える音が止む。沖田は真っ直ぐにAを見ていた。なんだかAは、松陽に強さを追い求められた、昔の自分を思い出して懐かしくなる。
「おいてめぇ仕事サボって何やってんだ！」
静かになった戦場に、男の怒声が響いた。そちらを向けば、黒い隊服に身を包んでタバコをくわえた男がいた。
「ひ、土方さん！」
「何でさァ、俺はAとデート中なんで邪魔しないでくだせェ」
「え！？ で、デート！？」
「真剣構えてどんなデートだオイ」
沖田の発言にAは驚き、土方は額に青筋を浮かべていた。
沖田は一つ舌打ちをすると、バズーカを手にして、
「死にさらせ土方ァアア！！」
土方に向けてぶっ放した。
「沖田さんゥウ！！？」
Aはすぐに土方の前に行き、バズーカのロケット弾を被弾する前に斬り破壊する。
そして沖田との距離を詰めてバズーカ砲を真っ二つに叩っ斬った。
「さ、さすがAだな……」
砲撃にも躊躇ない彼女の行動に土方は顔を引つらせながら言う。
そんなこんなで沖田の戦闘(デート)は終わり、二人とも鞘に刀を収める。
「にしてもお前、なんで刀持ってんだよ」
「ぅ！？ そ、それはーそのー」
土方に問われてAは目をそらす。冷や汗をだらだらと流しながら、どう言い訳しようかと考えていた。すると沖田が口を開いた。
「俺が渡したんでさァ。その人と戦いたかったんで」
「……はぁ、気持ちは分かるが止めろ。Aは仮にも一般人だぞ」
「え、気持ち分かるんですか」
「まぁな。お前強いし」
鬼の副長にまで強さを言及されてしまい、Aは苦笑いする。
「姐さん、今日はありがとうございやした。アンタと戦えて良かったでさァ」
沖田は笑顔でAの頭に手を置いて撫でた。
「ん……こ、こちらこそ」
Aは気恥ずかしくなって目をそらし、小さく返事をした。二人の様子を見て土方は眉を寄せる。
「おい、あんまそいつに触んな。セクハラだぞセクハラ」
「何ですかィ土方さん。嫉妬でもしたんですかィ？」
「うるせえ。ただあいつの兄が煩くなったら面倒だからだ……そういやアイツはいないのか？」
土方は戦を探すが、壁に突き刺さっているのを見て何も言わずに目をそらした。
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作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2021年2月13日 22時
