【銀魂】シスコンな兄の尻拭い９ 【柳生篇】

ワレモノ注意　八　終 ページ34

「どちらに転ぼうと、茨の道であることにゃ変わりねー。Aちゃんは俺も世話になってるしな。お前たちを応援するぜ」

　俺も諦めねーが、と付け足して敏木斎は庭へ降りた。

「おじい様どこへ？」
「ちとうるさい連中が来とるようでな。ちょっくらいってくらァ」

　額に皿をつけて彼は手を振った。


　ガゴッと鈍い音が鳴り、西野が刀で神楽を池の方に吹っ飛ばした。

「ぶふっ！！」
「チッ、皿はし損じたか。だが」
「！！」

　池から北大路が出てきて神楽の背中を刀で叩き上に打ち上げた。

「我らの連続技からは逃れられぬぞ」

　柄の屋根から南戸が刀片手に襲い来る。

(まずい！！やられ)

「おい。その娘やんなァ、俺でィ」

　南戸の後ろから沖田が飛び出て刀で南戸を叩き落とした。

「がはっ！」
「げほっ！」

　叩き落とされ大きな音が響き、それに混ざって南戸と神楽が鈍い声を漏らした。

「南戸ォ！ッ！！ぐふェ！！」

　西野の背後から土方が彼を叩き飛ばし、タバコと刀を片手に襖を破壊して出て来た。

　その胸の下には、神楽が欲しがっていたでかい皿を巻き付けていて。

「土方さん。なんですかィ？そのデカい的は」
「ハンデだ」

　土方はタバコを咥え、額に青筋を浮かべて鼻から紫煙を出して言った。

「クソ……Aにだけは絶対見られたくねェなコレ」

　土方がぶつぶつ言っていると沖田に殴られた南戸が頭から血を流して起き上がった。

「オイ北大路。俺いまどんなツラしてるよ？」
「男性 器のようなツラをしている。Aさんが見たら白い目で見られること間違いなしだ」
「そうじゃねーよ。お前そればっかりか？あとAさんは人を顔で判断しねーし……いや、そもそも男性 器のようなツラではないんだけども」

　そうじゃなくて、と南戸は一人でノリツッコミしていた。

「ケガの具合みてくれって言ってんだよ」
「血まみれだ。泌尿器科へ急げ。そしてできるだけ清潔にするよう心がけろ。あとAさんに近づくな」
「性 病扱いしてんじゃねェェェ！！つかちょいちょい私怨挟むなよこえーよ！」

　北大路からちょくちょくAに関して牽制されてキレていた。
　南戸は怪我を負いながらも携帯を出して自分の顔を見て口角を上げた。

「オイオイ、コレ結構いい感じじゃね？カッコいくね？やっぱイイ男は血ィ流しても様にならァ。ちょ、北大路一枚写真撮ってくんね？Aさんに見せびらかそ」

　彼は血を流しながら何やら楽しそうにしていた。

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