やっぱりヒロインはゴリラに限る 七 ページ9
宇宙船の砲口が音を立ててエネルギーが溜まっていく。
「ちょっ、止めろ!」
「無理、もう解除できない!」
「え、ていうかコレ……二連砲撃のボタン押されてない?」
「ん?あ、ホントだ」
松平は操作板の画面とボタンを見て気づいた。
どうやら松平が押したボタンは普通の砲撃発射ボタンではなく、対象を確実に壊滅させるために二連続で砲撃するよう設定されているボタンだった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!ターミナル終わったァァァ!!!」
役人たちは船の中で叫び声を上げた。
じいは砲台がエネルギーを溜めて光り始めていて苦笑いする。
「……アレ、なんか撃とうとしてない?」
「ウソだろおい、仮にも皇子だよ」
「ヤバいってコレ、早く逃げ」
新八が冷や汗を流して言おうとするが、
「Aのケツ触ってんじゃねェェェェ!!!! あとそれ私の酢昆布ネェェェ!!」
核の中から神楽が銀時にアッパーを食らわせながら勢いよく出てきた。
近くにいた新八たちはそれに巻き込まれ、鈍い声をもらして打ち飛ばされた。
「神楽ァァ!!」
星海坊主は驚いて彼女の名を呼び、一緒に出てきた銀時とAを見る。
(こ、こいつら本当に……)
「ったく、やっぱAの効果は倍だったみたいだな」
銀時は酢昆布が酸っぱかったのか唾を吐いて言う。
「ぎ、銀ちゃんお尻触った!か、神楽ちゃんを目覚めさせるにしても、他に方法あったじゃん絶対!」
Aは顔を真っ赤にして銀時に詰め寄った。
「他に方法ねェ……キスとか?」
「なァッ……!」
銀時がニヤニヤ笑えば、Aは肩を上げて耳まで真っ赤になる。
「銀ちゃんのバカァ!!」
「ぬべァ!!」
Aが銀時の頬を引っ叩きバシンと音がして、音が軽い割に銀時は勢いよく吹っ飛ばされた。
「いや何してんだお前ら」
星海坊主は二人のやりとりを見て呆れていた。
「ったく、照れ屋だなァAは」
銀時は頬を抑えながら立ち上がる。
星海坊主はその横に並んだ。
「あまり女をからかうと痛い目みるぞ」
「いや、ちょうどいま痛い目みたよ」
「クク、それもそうだな」
「……さて、そろそろ」
「しまいにしようか」
銀時に星海坊主が言葉を続け、二人はニヤッと笑った。
「いくぜェェ!!お父さん!!」
「誰がお父さんだァァ!!」
二人は木刀と番傘でえいりあんの核に重い一撃を食らわせた。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時