愛犬の散歩は適度なスピードで 五 終 ページ37
「アレは飼い主！？巨大犬の飼い主です！」
『！銀ちゃ……』
神楽とAは銀時たちが来て顔を明るくする。
しかしその瞬間に定春が離れて下に降りていってしまった。
『定春！！』
「一分……一分でいいわ。私たちがあの子の覚醒を解く呪文を唱え終わるまで時間を稼いで」
銀時たちはバイクから降りて横に並ぶ。
阿音が銀時に時間稼ぎを頼んだ。
「銀ちゃーん！！定春を……定春をいじめないで！！」
神楽はドームの上から銀時に必死に訴えかける。
「定春苦しんでるヨ！助けてって言ってたヨ！本当はこんな事したくないアルヨ！」
「手加減なんかしちゃダメよ。殺す気でいきなさい。じゃないと」
――死ぬわよ。
定春が銀時たちの元に飛び降りてくる。
ドゴ、と前足で地面を蹴り付けた。
「ぶごォ！」
銀時と新八はその衝撃で横に少し飛ばされる。
地面は大きく亀裂が入っていた。
「無理無理無理ィ！こんなもん一分どころか十秒もつかァァ！オイ聞いて……聞いてねーし！」
銀時が巫女姉妹を見れば、彼女たちはピーヒャラ笛を吹き踊りを踊っていた。
「何あの人たちィ！ホント勝手な姉妹な！」
「オイ！それホントちゃんと呪文唱えてんのか！！ものっそい適当に見えんだけど！」
「話しかけんなァァ！もっかい最初からやり直しだろーがァァ！！」
「ええええ！！」
そうこうしてると定春が銀時たちを大きな口で噛み砕こうとして、二人は慌てて横に転げ避けた。
そのとき新八は木刀を離してしまって、定春が彼に突進してきた。
「うわァァァ！！」
「新八ィィ！！」
「新八君！！」
定春が新八を攻撃しようとする。
しかし銀時が前足を木刀で何とか受け止めた。
「銀さん！」
銀時は歯を食いしばり、メキメキと音を立てながらも前足を抑え込んでいた。
「定春ぅぅ！！ おいたも大概に……」
定春の前足を横に流し、地を蹴って跳び上がり木刀を振り上げた。
「銀ちゃん！止めてェ！！」
神楽が叫ぶ横で、Aは後ろから助走をつけてドームを蹴り飛び降りた。
銀時は木刀を振り下ろそうとするが、目先の獣が定春に見えてしまった。
――さだは
定春の前足が勢いよく銀時に振るわれる。
その瞬間、Aが銀時の腕を掴み、彼を護るようにガバッと抱き締めた。
「待っ」
抱きしめられる銀時は目を見開き声を漏らす
重い音を立てて定春の前足はAと銀時を払い飛ばした
「Aさっ……！」
新八は驚愕して固まった
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作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2022年10月2日 5時
