好みが被ると余計な争い増えるから、頼むから違うものを好きになれ 一 ページ23
昼間の活気のある江戸で、銀時がコンビニにジャンプを買いに行くというのでAはそれについていた。
「私もジャンプ読んでみようかなあ」
「マジか。お前が読むなら前号とっとけば良かったな。わざわざババアに怒られずに済んだかも知れねー、ミスったなー」
「いやそれ銀ちゃんがちゃんと分別の曜日通りに出さないからでしょ」
銀時は特にジャンプの処分時に分別を怠るため、その度にお登勢からキレられていた。
コンビニの前まで来て自動ドアがセンサーで開き、軽快な入店音が鳴る。
ウィーンと開いた扉の先で、Aは雑誌コーナーに見知った人物を見つけた。
「あれ、ぜんぞ」
「あ!てめっ、この間のジャンプ忍者!!」
Aが名前を呼ぼうとようとすると銀時が急に声を上げて遮った。
「あ? ッ!てめーはジャンプ侍!! ……って何でお前、Aと一緒にいんだよ」
服部は銀時を見て驚くが、その隣にAがいて眉を寄せた。
「あー、それは」とAは銀時と幼馴染であることを伝えようとするが、銀時が彼女の前に手をやって止めた。
「銀ちゃん?」
「こいつは俺の幼馴染だ。今は、同じ屋根の下に住んでる」
「なッ!!?」
服部の脳にビシャーンと雷が落ちた。
衝撃で数秒固まっていたが、ワナワナと震え出す。
「お、おいA、どういうことだァ? いつの間に彼氏なんてできた?」
「え、ちょ全蔵君?なんの話?違うよ全蔵君」
服部は静かに問いかけるが、青筋を浮かべていて。
事実ではない勘違いをされてAは汗を浮かべた。
「待てよ。あのAと……こんないい加減な男が付き合うわけないか」
服部はAと銀時を交互に見て冷静に考えて結論を出した。
間違ってはいないがそこに至るまでの考えが失礼すぎる。
「なにコイツ、ジャンプの件といいスゲー癪に障るんだけど、なにコイツ」
「てめーこそ、なに仲良くAと歩いてんだよ。」
銀時が青筋を浮かべて服部を睨めば、彼も銀時にメンチを切った。
「あん?デートだよデート。お互いジャンプ愛好家で惹かれあってジャンプ巡りしてんだよ今」
「嘘ついてんじゃねーよ。Aはジャンプ読んだことねーから、俺知ってっから」
「何やってんの二人とも……」
至近距離で睨み合い子供のように小競り合いする二人にAは呆れていた。
「というか、二人とも知り合いだったんだね」
「ああ……ちょっとな」
銀時はエリザベスの件で服部と相まみえた話をした。
好みが被ると余計な争い増えるから、頼むから違うものを好きになれ 二 終→←人の恋路を邪魔する奴は星に代わってお仕置きよ 四 終
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時