やっぱりヒロインはゴリラに限る 一 ページ3
「だらァァァ!!」
「つァァァァ!!」
銀時と星海坊主は叫びながら木刀と番傘でえいりあんを蹴散らしていく。
「あれが星海坊主……まるで化け物じゃねーか」
「いやいや、旦那も負けてませんぜ」
土方と沖田は驚きながら銀時たちの戦闘を見ていた。
二人の闘う轟音がそこまで聞こえている。
「!! おっさん!」
銀時は目を見開き叫んだ。
星海坊主が前方のえいりあんへ攻撃した直後、横からえいりあんが襲撃してきて防御が間に合わない。
「ッ!」
星海坊主は痛みを覚悟した。
が――何かがその後ろから跳んできて星海坊主の目の前で、えいりあんが左にぶっ飛んだ。
えいりあんが退いたことで後ろにいた人物が目に入る。
星海坊主と銀時は目を見開いた。
そこにいたのはAで、素手で殴ったのか右手から煙が出ていた。
「……なあ総悟くん。アレ、Aじゃねーか?」
「……ほんとですね土方さん。アレ、Aさんなんであんなところにいるんですかねィ」
「……いやアレだろ二人とも。Aさん好きすぎて幻覚見てるんだよきっと」
土方と沖田、近藤は顔を引きつらせて上で戦うAを見る。
その横で戦は目頭を押さえていて。
「お前ら現実見ろって。Aならほら、アレ、今日誕生日だから。ホームパーティしてっから。そんなさ、大事な妹がえいりあんと戦ったりなんかしないってば」
「お前の方が現実見ろォォ!全身震えてんじゃねーか!」
土方は何とも言えない顔をしてプルプル震えている戦にツッコんだ。
Aは船の上に着地し、手を軽く下に振って煙を払う。
「あ、アンタ……」
星海坊主が呆然とAを見る。
Aは彼は視線を移すと微笑みを見せた。
そうしている間にもえいりあんが襲ってきて。
「スゥー……」
Aは目を伏せ笑顔で息を吸って踏み込み、
「ぬおらあァァァ!!」
猛々しい雄叫びを上げて次々とえいりあんを蹴散らし始めた。
『……』
銀時や星海坊主、真選組たちは全員絶句した。
「ちょっとAちゃァァん!?ヒロインが出す声じゃなさすぎるだろ!!」
銀時は自分の方に襲ってくるえいりあんを斬りつつ、雄々しい声で猛進していくAにツッコんだ。
「雄叫びを上げると何か不思議なパワー湧いてくるじゃん?」
「何のパワー!?そんなサ◯ヤ人みたいに髪逆立って金色に光ったりはしないよ!?」
星海坊主も含めて三人は喋りながら着々とえいりあんを片していた。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時