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やっぱりヒロインはゴリラに限る 十二 終 ページ14

帰っていく銀時の後ろからAが合流して横に並ぶ。

「手紙、とってたんだね。優しいね銀ちゃん」
「別に。捨てるのもったいなかっただけだ」

 銀時は頭をかいて顔を背ける。
 続けてズンズンと新八が涙を流して大股で歩いてきた。

「言っとくけどねェ、僕はずっと万事屋にいますからね。家族と思ってくれていいですからね」

 そのまま新八は顔を合わせずに銀時の横を過ぎ、歩いていった。
 銀時はため息をつき頭を掻く。

「辞めるとか言ってなかったっけ」
「ふふっ、私もずっと一緒にいるよ」

 Aは横で笑って、銀時の腕に抱きついた。
 抱きつかれて銀時は驚いて。

「ッ、お前なァ……はァ、それ他の奴にはすんなよ」
「?なんで?」
「なんでもだよ、バァカ」
「あいたっ!」

 銀時はAの頭に軽くチョップして前を歩いていく。

「な、なんで〜?」

 頭を押さえながらAは不思議そうに銀時の背中を追いかけた。


 星海坊主は手紙を読んでククッと笑った。

「……大事にしろか。おーい神楽、聞いてるか」

 星海坊主は背を向けたまま、後ろの高台下にいる神楽に言葉をかけた。

「これからお父さん、お前を大事にすることになったから」

 彼の言葉に、神楽は浮かない顔をする。

「だから、元気でやれよ」
「!!」

 星海坊主は彼女から背を向け歩いていった。

「パピー!どうして!待ってパピー!」


――背景。お父さん元気ですか?

 私は今、侍という不思議な連中のいる江戸に住んでいます

 彼らは本当に不思議な生き物です

 普段は弱くてしょぼくてダメな野郎ばかりなのに、

 いざというときは武士道という信念で絶対に折れない屈強な戦士になるのです。

 そして、江戸には変な人が何人かいます。
 モジャモジャ頭のプー太郎は普段怠けてるくせに、誰かのために必死になれる人で。

 江戸でできた私の大事な人は
 優しくて綺麗な女の人のくせに、強くて全く倒れない、でも無茶ばかりして放っとけない。夜兎を恐れず手を差し伸べすらしてくる、お人好しな人。

 夜兎も侍も変わりません。
 みんな自分と戦っています。

 ここでなら私は変われる気がします。

 そうしたらお父さん

 きっと私を一緒に旅に連れていってくださいね。

 お父さんと一緒に宇宙をまわって

 宇宙一のえいりあんはんたーになるのが私の夢です。

ーー神楽より

「……待ってるぞ、神楽」

 星海坊主は涙を流しながらも、口元に笑みを浮かべて呟いた。

星の暴走は止められない 一→←やっぱりヒロインはゴリラに限る 十一



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時

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