やっぱりヒロインはゴリラに限る 十 ページ12
「お、おいおい!Aさん危ないって!」
「お前なにしてんだ!早く逃げろ!」
近藤と土方は焦った様子で、戦は眉を寄せる。
「おいA!いくらお前でもできるモンとできないモンがあるぞ!!自惚れるな!早く上に逃げろ!」
Aが星人であることを知っている戦でも、砲弾は受けきれないと思って叱責した
「私は、誰も死なせないって誓ったの。この力が例えそこまで強くなかったとしても。それなら、火事場の馬鹿力だして限界超えてやる!例え身が焦げたって絶対に、皆を守る!化け物みたいなこの力は、私のこの力は……そのためにあるんだから!」
「お前……」
星海坊主は彼女の言葉を聞いて目を見開く。
前方の戦艦から砲弾が放たれた。
エネルギーの巨大な光が近づいてきて、Aは足を横に開き刀を構える。
「Aッ!」
銀時は見過ごせず立ち上がった。
弾が目の前にきて、Aは思いっきり刀を横に振るった。
砲弾と刀が衝突して、ドゴッという重い音と電撃の裂ける音が鳴る。
「ッ……」
砲弾の圧に押されてAは後ろに下がるが、歯を食いしばって地面を踏みしめた。
バチバチと火花と閃光が散る。
彼女は眉を寄せ、口の端から血がこぼれた。
Aはスゥーッと息を吸って
「ぬァらァァァァァァ!!!」
叫びながら刀をそのまま右に押し出した
その力は巨大なエネルギーの砲弾を右に流し、ドガンと重い音を響かせて空へと高く打ち上げた。
『ええええええ!?』
刀で砲弾を斬るのではなく、まさかの刀をバットのようにして打ち上げた彼女に全員が驚愕の声を上げた。
打ち上げられた砲弾は、遥か上空で爆音を響かせて炸裂する。
上の方で煙が舞い、チリと粒が降ってくる。
「お、オイオイ。ゴリラかよ……」
「ッ……」
「!」
銀時は顔を引きつらせていたがAが刀を落としフラッと倒れ、慌てて彼女に駆け寄り抱き寄せた。
長刀が落ちた瞬間に短刀に戻る。
Aは口から血を垂らしていて、銀時はそれを拭ってやる
「ったく無茶しやがって」
「へへ……でもまさか、成功するとは、思わなかったよ」
力なく笑う彼女に銀時はため息をついた
「強い力も、守るために使うから……見逃してもらえたりしないかな。夜兎のおじさん」
「……フン。神楽が核から出てきてまで、セクハラした奴を殴るような相手だ……始末するなんて無理な話だろ」
星海坊主が素気ないながらも言えばAは、ふふっと笑った。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時