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思いは時に呪いとなる 二 ページ44

「う、うそ……」
「私自身もついこの間知ったばかりだったんだけど。黙っててごめんね」

 Aは姉妹の顔色を伺うように節目がちに言う。

「……アンタさァ、知られたら避けられるとか思ってた?」

 阿音が少し間を開けて尋ねれば、Aはコクコクと頷いた。
 すると阿音は、ハァとため息をつく。

「アンタはホント馬鹿ねェ」
「私たちがそんなことで貴方を敬遠したりはしませんよ。だって私たちは……あなたのことが大好きだから」

 百音はAと視線を合わせ、彼女の頬を両手で柔らかく掴んだ。
 Aは「むにゅッ」と声をもらす。

「ふふっ、かわいい」
「ちょ、百音ちゃ……んにゅ」

 百音にずっと頬をムニムニと遊ばれてAは気恥ずかしそうにして。
 なんだか二人だけの空間ができあがってしまう。

「いつまでイチャイチャしとんじゃい」

 阿音は青筋を浮かべて百音をはたいた。

「にしても厄介ね。星人がまじないをかけるなんて、相当危ないわよ」
「え、そうなの?」

 Aは阿音の言葉を聞いて驚く。

「実は星人の体内にはアルタナがある、っていうのは知ってる?」
「あ、うん。体内にアルタナを宿している貴重な存在だから、それを広く知られないように文字にせず伝承だけで教え継いでたって……」
「そうね。私たちも言い伝えでしか聞いたことがないから確かなことは言えないんだけど、星人の中のアルタナは何にでも作用すると言われているわ。願いや思い、まじないや呪いの類にもね」
「オイあのハゲそんなこと一言も言ってなかったぞ」

 銀時は星海坊主からそんな情報をもらっていないため眉を寄せた。

「Aのかけた まじないにアルタナが作用すれば、まじないの効果が倍増して発揮される可能性があります」
「そうなった場合まじないの内容によっては、かなり危険な事になるわ」

 百音に続けて阿音が言った。
 かけたのが呪いじゃなかった分まだマシだけど、と二人は内心思っていた。
 星人が呪いをかけると、どうなるか分からない。それこそ世界が崩壊するかもしれない。

「……もしかして、暴走もアルタナがまじないに作用したせい?」
「暴走?」

 Aの呟きに阿音が反応する。彼女は自分の暴走のことを話した。
 銀時や戦たちがA本人の見えない部分まで、暴走の詳細を説明する。

「意志に反して勝手に体が動いて殺戮を始める、か……確かにアルタナが作用してるとも考えられるわね」

 阿音は顎に手を当てて呟いた。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時

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