デカい犬に頭から食われる経験はそうそう得られない 二 ページ27
「うるせーな、デカい声出すんじゃねーよ。頭痛いんだから。男と犬な二、三日 目ェ離すと別人のように大きくなってるもんなんだよ」
「アンタは何日経ってもダメ人間だけどな!」
「なにををを!!いだだだ!頭痛ェェェ!」
「いだだだ!こっちも頭痛いネ!!歯食い込んでるヨ!食われるちまうアル!!」
銀時は酔いの頭痛に悩まされ、新八と神楽は定春に咥えれられる痛みに悩まされていた。
Aは小さくため息をつき、銀時を座らせて定春に近づいた。
「ダメだよ定春、その大きさでいつもみたいに噛んで遊んじゃ」
彼女が笑って頭を撫でれば定春は口を開けて二人を離した。
大きな桶にいちごミルクを入れて、定春はそれを飲んで大人しくなった。
「定春はいちごミルクとAが好きネ。Aがいると大人しくなったし、いちごミルク飲んでご機嫌アル」
「さっきのはじゃれてただけみたいだね」
この状態で走り回らなくてよかった、とAは思っていて。
新八と銀時は、定春が飛ばして裏返ったソファーの上に乗る。
「あの大きさでやられたらこっちとしては命取りですよ。いったい何でこんなに大きく……」
「成長期じゃねーの。もともとあのデカさだ、これくらいにもなるだろ。お前らがあんなにカルシウム取らせるから」
銀時がぐちぐち言う横で新八は餌代を心配していた。
「とにかくこのままじゃ飼っていくことすら難しいですよ」
「大丈夫だよ〜、新八く〜ん。こんなこともあろうかと……たりららったら〜、犬語翻訳機『わんじゃこりゃああ』」
銀時はダミ声で猫型の小さい機械を摘んで見せた。
「これさえあれば犬が何を喋っているか、鳴き声で割り出すことができるんだ〜」
「あ、飲み屋で銀ちゃんが隣の男の人に枝豆と交換してもらったやつ」
「胡散臭さ100%じゃねーか!!」
Aが猫型機械を見て言うと新八にツッコまれた。
「とにかく、これで定春が何で巨大化したか探り出せば何か解決策が見つかるかも知れねー。なあ定春? お前はどーしてそんなデカくなったんだ」
銀時が定春の前まで来て聞くが、定春は何も鳴かない。
「オイ、なんか言え」
銀時が軽く定春の頬を叩くと
「わぎゃあ」
「ぶべら!!」
定春が思いっきり銀時の頬を殴った。
重い音立てて銀時が吹っ飛ばされ、ピピッと猫の機械が反応する。
『いてーな。動物愛護団体に訴えるぞワン』
「あってるっちゃあ、あってる」
新八とAが汗を流す横で神楽が言った。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年10月2日 5時