困ったときは笑っとけ笑っとけ 七 終 ページ9
「坂本さんじゃ!」
「坂本さんが生きちゃったぞォ!!」
地上に銀時と坂本、Aが出てくる。
快援隊の仲間たちを筆頭に、わっと場が盛り上がった。
「あの男、無茶なことを……あの女がいなければ確実に自分も飲まれていたぞ」
船の端で陸奥は呆れる。それに、と彼女は言葉を続けた。
「あの女も同じじゃ。何を考えとるんじゃアイツらは」
「ホントですよ。何考えてるんでしょうね、あの人たち」
新八はそう言いながらも、どこか嬉しそうな表情を銀時たち三人に向けていた。
「オイA!てめっ、なんで船降りたんだ、このバカ!」
「バっ……ひっどーい!!それを言うなら銀ちゃんだって一緒じゃんかー!」
「俺はなんか色々主人公補正とかで無敵だからいいんですー」
「何それー!」
Aが船から降りて危険を冒したことに銀時は怒っていて。
銀時だって同じことをしてるのにとAは拗ねる。
「そうじゃー馬鹿は金時だけでじゅーぶんじゃ。危なかことするんじゃなか」
「この中じゃテメーが一番バカだろーがァ!」
坂本の一言に銀時がキレて、ギャーギャーと三人で騒いでいた。
「星人なんて種族じゃきに警戒しちょったわしがアホみたいじゃな……あの女、Aと言ったか」
陸奥は元気に騒いでいる三人を見て呟く。
「
銀時たちと騒ぎながら、笑っているAを見てフッと微笑んだ。
「美しい星を見つけたモンじゃの、坂本」
彼女の笑顔に心が揺さぶられ、陸奥は信じたくない思いと心地よい想いに唇を噛んだ。
――
「桂君から聞いたよ。坂本君が私の種族のこと、調べてくれたんだって」
地球に戻ってきて、Aは屋根の上で夜の星を眺めて言った。
隣で寝転がっていた坂本は顔をこわばらせる。
「Aは聞いたがか? 星人っちゅー種族のこと」
「うん、聞いたよ」
「……余計なことしてしもうて、すまん!」
坂本はバッと起き上がって即座に土下座した。
Aは驚いて戸惑っていて。
「えっ……何で謝るの?むしろ私は坂本君に『ありがとう』って言いたいのに」
「へ?」
思ってもみない言葉に坂本は腑抜けた声を出して目を見開いた。
「私は私を何も知らなかった。それを知ることができた。知らないまま生きて、誰かを傷つけてしまう前に。だから」
――ありがとう、辰馬。
優しく温かい声は、いつまでも坂本の脳裏に留まり続けていた。
音楽聴きながら勉強したら曲の方に意識いっていつの間にかノっちゃうやつ 一→←困ったときは笑っとけ笑っとけ 六
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時