オカマは男のバカさも女のズルさも知っている 一 ページ32
「ふざけんじゃねェェ!! てめーの蛮行でどれだけの人々が迷惑してるか分かってんのかァァ!!」
「やかましーわクソババアぁぁ!! 回覧板回すの遅れたくらいで何でそこまで言われなきゃならねーんだァァ!!」
スナックお登勢の前で、お登勢と大柄なオカマが大声で怒鳴り合って口喧嘩していた。
「アンタかぶき町の女帝とか言われて調子に乗ってんじゃねーの!?」
「ちげーわ! ……それにその呼び名、今はあの子が相応しい気がするしねェ」
お登勢が誰かを思い浮かべて言えば、相手のオカマも同じ人物を考えていて。
「……まァ、確かにあの子ならアンタみたいな短気なババアと違って優しさで包み込む女帝になれるわね」
「んだとコラァ!アタシだって
「意味合いが全く違ェよ!!あの子に謝れオイ!」
二人の騒音に起こされた銀時は、眠そうに目をこすりながら万事屋銀ちゃんの戸を開けて下にいる二人を見た。
「オイ、うるせーんだよそこの妖怪二匹。いま何時だと思ってんだ」
「うるせーんだよこのダメ人間が!!」
「まっとうな人間はとっくに活動始めてんだよ!!」
怠そうにして文句を垂れてきた銀時に、お登勢とオカマがキレて怒鳴った。
その後、楯突いた銀時をオカマが伸して引きずりながら連れて行ってしまった。
買い物から帰ってきた新八と神楽、定春がその背中を見つめる。
「新八ー、あのモンスター何アル?」
「アレはお登勢さんと同じくこの町を支えるかぶき町四天王の一人だよ。鬼神、マドマーゼル西郷」
連れて行かれた銀時はオカマ、もとい西郷の経営する「かまっ娘倶楽部」で女装したパー子として働くことになった。
ツインテールのカツラを被って化粧をしているが、本人は何とも言えない表情をしていた。
そこにはヅラ――ではなくヅラ子がいて、持ち前の綺麗な長い黒髪を右に束ねていた。
一人だけ異様に女装が似合っている。
彼も同じく西郷とたまたま出会って化け物呼ばわりしてしまったところ、落とし前として働かされているらしい。
「こんにちは〜」
『!!』
二人が踊りの稽古をしていると、聞き慣れた女性の声がして二人とも反応する。
「ああA、今日もありがとね」
その声の主はAだった。
彼女は荷台に荷物を積んで運んできて、西郷が挨拶して荷物を別の場所に持って行く。
その光景を見て
――なんで居んのォォ!!?
銀時と桂は慌てて背を向けた。
オカマは男のバカさも女のズルさも知っている ニ→←中にはクーリングオフできなかったりする場合もあるから気をつけろ 七 終
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時