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中にはクーリングオフできなかったりする場合もあるから気をつけろ 五 ページ29

神楽の体は前へ踏み込み、岩慶丸の懐に潜って、今度は手加減などすることなく全力で顎を蹴り上げた。

「かはっ!」

 岩慶丸は顎を蹴られ乾いた声を上げて吹っ飛ぶ。
 足を下ろした神楽の表情は驚いていて。

「体が勝手に……ッ!」

 そう言ってる間にも足が動き、神楽は岩慶丸の方に歩いていく。
 彼女は自分の意思に関係なく体が引っ張られ、少し苦しそうにしていた。

「くそっ、何だその脚力は!」

 岩慶丸は首を押さえて起き上がると薙刀を構えて振るってきた。
 神楽の体はそれを避け、手のなかで小刀を持ち替えて柄で岩慶丸の手を殴打する。
 彼は打たれて薙刀を手から落としてしまって。

 神楽の体はまた小刀を持ち替えて――鋭利な刃先を岩慶丸に振るった。

「! ダメ!!」

 神楽が驚き体を止めようとするが、その制止も効かずに岩慶丸の腹を横切りにする。
 そして神楽の足が彼を回し蹴りして壁に打ち当てる。
 神楽は慌てて小刀を握る自分の手を、もう片方の手で押さえた。

「ふんごおおおおお!!」

 足が勝手に動こうとして、それを必死で押さえ地面を踏み込む。
 小刀を持つ手が相手を喰らおうともがいているのを、神楽は強く押し止めていた。

――このままじゃアイツを殺してしまうネ! 私は人を殺したくないアル!!!

 神楽が心の中でそう叫ぶと、勝手に動いていた力が突然止まった。

「!」

 急なことに、力を入れていた神楽はスカッと空ぶって転けそうになり体勢を直す。
 収まったと察知して、神楽は岩慶丸を一瞥(いちべつ)した。
 彼は気絶しているようで、こちらに寄ってくる様子はない。

「な、何だったアルか……」

 神楽は困惑したように手元の小刀を見る。
 先ほど質屋の男から聞いた、妖刀『星喰』と『積星雷塵』の話を思い出す。

「A……もしかしてこれ、『ホンモノ』じゃないアルか……」

 困ったように呟き、神楽は定春の元まで行ってそのまま万事屋に帰った。


 万事屋に帰った神楽は、テレビショッピングを見ながら電話している銀時のそばに行く。

「銀ちゃん何してるアルか?」
「おう、帰ってきたのか。それよりお前、Aに小刀返しとけよー」
「! バレてた……」

 バレていたのを知って神楽は唇を噛む。

「その、銀ちゃんの木刀も……」

 神楽が申し訳なさそうにして言えば、銀時は「んあ?」と間抜けな声を返して。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時

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