屋台で買って食べ歩きするなら人混みの中は気をつけろ 一 ページ13
ボロボロにした万事屋三人に機械造りを手伝わせ、造り終えた源外は焼き鳥屋で銀時と飲み食いしていた。
神楽と新八は機械人形の三郎を連れて屋台を回っている。
「アンタ息子いたの」
「もう死んじまったがな。勝手に戦争に出て勝手に死んじまったやつよ」
銀時に聞かれて、源外は答えた。
彼の息子は父親に劣らずカラクリ好きだった。
――俺ァなあ親父、油まみれになって楽しそーにカラクリ弄ってるアンタの背中が好きだったんだ。
人殺しのガラクタを作るなら俺が戦うと、彼は父の元から離れていった。
「お登勢から聞いたが、てめーも戦争に出てたんだってな……敵を取ろうとは、思わんのか?」
「あ?」
源外に問われて銀時は不思議そうにする。
しかし、少し間を開けて口を開いた。
「……んなことしたら悲しむ女が一人いんだよ。俺は、アイツのそういう顔見るのが一番嫌なだけだ」
銀時がAを思い浮かべていれば、源外も同じ人物を考えてフッと笑う。
銀時の言ったことに少し胸を締め付けられていて。
「女か……確かにあの子ならそんな顔はさせたくねーな」
「……じーさん、Aとどこで知り合ったんだよ。俺でも最近になって再開したばっかだぞ」
銀時も相手が自分と同じ人物を指して話していることを察し、問いかけた。
「オメーに教える義理はねーさ……あー、いかんいかん。徹夜明けの酒はやっぱ効くわ。最後の調整があるから俺ァ戻るわ」
源外は銀時の問いかけに答えず席を立つ。
神楽たちと遊んでいる機械人形の三郎を呼んで歩いていった。
屋台と人の合間をぬいながら、Aは源外を探して歩いていた。
しかし人混みに紛れて自分をつけている人物がいるのに気づいて、人の流れの邪魔にならないところで立ち止まる。
それでも相手は近づいてきて、その人物が自分の背後を取る前に、即座に小刀を出し振り返って相手の腹部に当てがった。
「相変わらず動きがはえーなァ、A」
相手の男、高杉は口角を上げて笑う。
彼は腰の刀に手を添えて抜かんとしていたところだった。
「……まだ帯刀はしてないのか。惜しいなァ、お前の見えないほど早いあの抜刀をまた拝んでみたかったが」
高杉はAの手に握られた小刀を見ていい、続けて彼女の顔を見遣ればフッと笑った。
屋台で買って食べ歩きするなら人混みの中は気をつけろ ニ→←音楽聴きながら勉強したら曲の方に意識いっていつの間にかノっちゃうやつ 三 終
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時