今の世の中は血の繋がりがなくたって家族を名乗れるものらしい 二 ページ21
舞台上で三郎に弾を込める源外のもとに、新八が現れた。
「もう辞めましょう。将軍様はとっくにお逃げになりましたよ。見えないんですか?」
「そーか……目ェ悪くなってるもんで見えんかったわ。まァいいさ。今度はあの真選組という連中を狙うまでだ」
姿勢を変えない彼に新八は大きく名前を呼んだ。
「おうおう、ずいぶんと物騒な見せもんやってんな。ヒーローショーか何かか?」
「!!」
銀時が煙の中から出てきて少し微笑んで言う。
彼に諭されて源外は思いの丈を言葉に流した。
「もう、苦しくて仕方がねーんだよ。息子あんな目にあわせて老いぼれ一人のうのうと生き残ってることが」
戻らないものばかり眺めて生きていくのは疲れたと、源外は本音をもらす。
「俺ァ、ただ
「どかねェ。俺にも通さなきゃならねー筋ってもんがある」
銀時は三郎の砲口を向けられてなおも、しっかりとした目つきで前を向いていた。
一瞬の静寂のあと
「撃てェェェ!!」
源外の叫びが響いた。
それと同時に銀時が腰の木刀を抜いた。
銀時は叫びながら三郎へ距離を詰める。
しかし、三郎は自身の砲口を下ろした。
源外と銀時は驚くが、銀時はとっさに止まれずそのまま刀が三郎へ振るわれた。
ガキンッと硬い音がして、
銀時の刀は三郎の目の前で止められた。
『!!』
三郎の前で、Aは小刀で銀時の刀を受け止めていた。
リーチの短い短刀なため長物よりは幾分か受け止めにくく、さらに銀時の斬撃が強かった。
彼女は左足を後ろにして地を踏みしめ自分の体を支え、唇を噛んで何とか耐えていた。
Aの様子を見て銀時は慌てて刀を離して少し距離を取る。
源外は未だ驚いていて、口を開いた。
「お前、なんでここに。俺が派手に暴れたから見に来たのかもしれんが何で
「……後でちゃんと話さなきゃね」
Aは少し儚げに微笑んだ。
「ごめんね源外さん。仲間を守ろうとしたらちょっと、源外さんの作った子たち壊しちゃった」
彼女は真選組のいる場所へ目をやる。
源外達もそちらを見れば、そこには木っ端微塵にされた機械の残骸があって。
「!お前、まさかアレをその武器でやったんじゃ……鉄の塊だぞ!?そんなちっせー刀で……」
源外は酷く混乱した様子で、銀時や新八達は毎度のことで苦笑いしていた。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時