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爆砕 三 ※イラストあり ページ41

「……お前のそれは、星人に魅せられているだけだ。早く楽になった方が」
「黙れ」

 闘星の言葉を遮り、戦は低い声で先を続けた。

「てめーに、俺を語られたかねーよ。俺を知ってるのは俺だけだ。俺の恋情や機微なんざ、てめーにゃわからねェ……解られてたまるか」

 自分を兄と呼び慕う彼女の

 自分を男として見たことがないであろうその笑みに

 いつも脳が焼かれそうになるほど苦しんでいた。

ーーいっそ襲えば楽なのに

 そう何度も思っては、Aの見つめる目を見て

 泣かれるのがイヤで

 嫌われるのを恐れて

 兄として求められる振る舞いをし続けてきた。

(俺がどれだけ……銀時たちや周りの男を羨んで、殺してやりたいと思ったか……分かるわけねーだろうがよ)

 戦は長年共に居た銀時たちにすら刃を向けたくなったこともあった。

 そんな気持ちを隠して

『俺は……あいつらみたいにできねェのに』

 羨ましさと濁った思いを心奥にしまっていた。

「てめーらが手ェ出したのは俺の女だ……アレは誰にも渡さねェ」

 押さえ込んでいた独占欲を口にして、戦は刀を構えて顔を上げる。

 体も服も赤に濡れ

 返り血か、自分の血かもわからないほど血に染まった

「テメーら全員、俺の気が済むまで斬る(コロス)

 凶悪で醜い鬼が目を覚ました。






 次の瞬間には戦は闘星の背後にいて

「!!」

 闘星が防御に入る前に、腹に刀が突き刺さった

 戦はそのまま容赦なく刀を引き抜く。

「かはっ!!」

 闘星は吐血するが、戦が引き抜いた刀で足を斬り落として彼を地面に倒した。

「テメーら星人が強ェんじゃねえ。人間が弱ェんだよ。だがな……俺は弱くはねえ」

 戦は倒れた闘星を踏みつけて見下ろす。

 確かに戦は弱くはなかった。

 星人の動きを見切り、闘星に攻撃をさせる前に素早く攻撃を仕掛ける。

 その一撃は重く、荒く、けれど洗練されている。

 普通の種族ならすぐに殺されている。

 だが

「クク……」

 闘星は血の流れる口角を上げて笑った。

 笑う彼の様に戦は眉を寄せる。

 闘星の足や腹の傷が、緑色の光を放って回復していく。

「弱くない、か。妹を護れずにどのツラ下げて言ってんだか……今もこうやって、妹を護ることは愚か、追い詰めてるくせによォ」
「……ああ?」

 その言葉の意味がわからず、戦は眉を寄せた。

爆砕 四→←爆砕 二



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月26日 20時

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