検索窓
今日:28 hit、昨日:19 hit、合計:29,653 hit

手のひらを太陽に 一 ページ19

「お前なんぞに俺たちの火は消せやしねえ。お前なんぞに、この(ひかり)は消せやしねえ」

 吉原に差す一つの強い光に百華たちも全員驚き、神威は陽が当たらないように腕を上げていた。

「これは……この陽は……!」
「まさか……!」

 鳳仙と月詠が驚き声をもらす。

「たっ……太陽ォォォォ!!」

 鳳仙は眩しい陽の光にすぐさま腕を体の前に構え叫んだ。


 吉原の者たちは皆、天を見上げて大きく口を開いていた。

 強く眩しい陽の光。

 天井(そら)が割れ、青い空の光が強く常夜に光の線を降らせる。

 その強い光にあてられて、鳳仙は目から血を流した。

「ぬぐああああ!!」

 鳳仙の肌が渇きひび割れていく。

(血が、肉が、魂が、渇いていく……!)


 管制室では追っ手の百華たちを新八と神楽の二人で食い止め、晴太が操作盤を動かしていた。

「いけェェェェェ!!」
「銀さんんん!!Aさんんんん!!」

『夜王の鎖を焼き切れェェェェ!!』

 銀時とAは共に夜王へと襲いかかり、銀時は木刀を、Aは拳を鳳仙の眉間に打ち当てた。

 強い衝撃音を鳴らし、鳳仙が外へと吹き飛ばされる。

 強い陽に当てられて、鳳仙は眩しい光の中に過去の記憶を蘇らせた。


ーー

『ねェねェおじちゃん。何でこんなに晴れているのに傘なんてさしているの』

 付き人に傘を持たせて歩く鳳仙に、小さな少女が問いかけた。

『ねェ、なんで?』

 特に深い意味などはない、純粋な疑問を帯びた瞳の彼女。

『コレ!鳳仙様に何という口をきくんだ!!』

 父親に頭を叩かれて連れていかれる少女は

『……かわいそう。こんなキレイな空を眺めることもできないなんて』

 去り際、眉を下げて本心から言葉をもらした。


 それからも、その少女は事あるごとに鳳仙の所に来て彼に話しかけた。

『ねェねェおじちゃん。おじちゃんはどうしてこんな土の中に住んでるの』

 襖を顔一個分だけ開けて、少女は一人酒を飲む鳳仙に疑問を投げかける。

『そんなにお日様が嫌いなの。それともおじちゃんがお日様に嫌われてるの』
『何やってんだいバカ!すいませーん鳳仙様。ほら行くよ!!』

 女中に頭を叩かれて連れていかれる少女は

『おじちゃんダメだよ!!お日様と喧嘩なんてしたら!!』

 声を上げながら鳳仙に訴えていた。

手のひらを太陽に 二→←眩しい太陽の瞳 五 終



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。