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眩しい太陽の瞳 三 ページ16

(バカな!奴は丸腰のはず……ッ!そうかこの女の持っていた獲物か!)

 銀時の薙刀は鳳仙の体に突き刺さっているが、確かに先ほどはAも薙刀を持っていた。

 しかし今しがた彼女が鳳仙に食らわせて、阻止された攻撃は自らの拳。

 彼女は瞬時に判断して獲物(なぎなた)を捨て銀時に託し、自分は生身で夜兎に殴りかかる作戦に切り替えたのである。

 この間、数秒もなく。

 この間、銀時とAは何も言葉を交わしていない。

 お互いの意図を察し、予測し、行動を瞬時に変容させた。

 Aは拳を潰される危険性を、
 銀時は突然の行動の変更で対応できない危険性を

 全てを把握した上で、互いの考えを理解して飲み込んだのである。

(こ奴ら、この逼迫した状況で死の淵で、そんな博打を……)

 二人のそれは博打ではない。
 互いに確固たる信頼を、同じ思考を持つ。

 もはや戦地に立つ銀時とAは、一つの肉体(からだ)だった。

 銀時が薙刀で鳳仙に突きを入れる。
 鳳仙は片手でAの拳を止めたまま、銀時の薙刀をもう片方の手で叩き割った。

「フン、終わり……!!」

 Aの動きを封じつつ唯一の武器を破壊したと思われたが、

 銀時の右手には洞爺湖が握られていた。

《どんなになってもーー護りぬけ》

『いけェェェェ!!!』

 月詠とAが大きく声を上げた。

 銀時はグッと木刀を握り、

 歯を食いしばって勢いよく鳳仙の顔に木刀(やいば)を叩きつけた。

ーー

 百華たちは日輪を肩に支え、晴太を連れて屋敷の中を走っていた。

 しかし百華の女たちの中でも鳳仙側につく者もおり、その女たちに追われて交戦する。

 日輪はその状況に目を伏せた。

「こりゃ、逃げられるもんじゃないね。晴太、アンタだけでも逃げな」
「母ちゃん!」
「安心しな。お前だけ逃げろなんてもう言わない」

 日輪は優しく微笑みかけた。

「戦おう。一緒に、仲間(みんな)と」

 日輪は晴太に、自分がここに残って敵を引きつけている間に管制室に行くように伝えた。

 何人が束になって鳳仙に襲い掛かろうとも倒すことは難しいが、決して歯が立たないわけではない。
 吉原が地下にあるのは、鳳仙が陽の光から逃げるために作ったからに他ならない

 吉原の地下構造は元々、幕府の艦船を製造していた造船所である
 今は見えないが天井には船を出し入れするハッチがあった
 つまり、鳳仙に陽の光を浴びせることができるのである

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時

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