兎(ケモノ) と 星(バケモノ) 六 ページ12
日輪は鳳仙に足首の靭帯を切られており歩くことはおろか、立つことすらできない状態だった。
「その
「……女を繋ぎ止めるために足まで奪ったか」
神威は少し黙ったあと笑顔のまま言う
自分で歩けない日輪は晴太だけでも逃がそうとする。
「ククク……希望を託し童を逃す女、八年前と同じだな。一つ違うのは、今回童は逃げられぬということだけだ」
鳳仙は床に刺していた巨大な番傘を取って肩に担いだ
「母親ごっこはもうおしまいだ日輪。薄汚れた遊女が母親になどなれるわけもない。お前は母親にはなれない。それを証明してやる」
「その童を殺してな」
鳳仙は銀時に潰された右目を閉じながら、左の目は殺気を持って晴太を睨んだ
瞬間、鳳仙の顔にクナイが飛んできて彼は傘で弾き飛ばした
しかし弾いたとはいえ、クナイの圧は強く後ろに押されながら横に流していて
ドゴォ!!という轟音が響きクナイは柱の一本に突き刺さり柱を粉砕した
鳳仙はクナイを投げた人物、Aに目を向ける
彼女は頭からも大量に血を流しながら、口角を上げて不敵に笑う
「せっかくの親子の対面に水をさすなんて、おじいちゃんも元気なことで……その子を殺せるならやってみなさい。その前に、私が貴方の首をへし折ってやるわ。エロジジイ」
赤い瞳は諦めることを知らぬ目で、強い威圧を持って目の前の兎を睨んだ。
「クク……貴様のその治癒速度があったとて、殺せる力が足りなければ わしの首は取れんぞ小娘。すぐに治癒するというのなら、貴様のその決断を後悔するほど、死にたいと思うまで激痛を与えてやる」
鳳仙はAのその目を前にして、日輪の強い瞳を思い返す。
「日輪も貴様も、貴様の父・死星王も同じ目をしておったわ。眩しく忌々しいその輝き。
「太陽を地に引きずり落とす。死をもってしてではなく、その気高き魂を引きずりおろし我が前に屈服させる」
「日輪、お前の全てをわしが手に入れてやるわ。我が下に沈むがいい!お前はわしのものだ!」
異常な執着を見せる鳳仙に、晴太が口を開いた。
「沈められるものなら沈めてみろよ。例えお前が何度母ちゃんの顔を曇らせても、オイラが何度でも笑顔に戻す」
晴太は歯を食いしばり日輪を背中に抱えて部屋から出てきた
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刹那*桜(プロフ) - ひゅーまんさん» すみません!一回誤変換して全部そのまま変換し続けていましたね。全て修正いたしました!ありがとうございます! (4月8日 22時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅーまん - すみません 星海坊主の字間違えてますよ? (4月7日 20時) (レス) @page42 id: 5c08d5ef79 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 庵さん» ありがとうございます!!レギュラーのオリキャラを慕っていただけて何よりです! (2023年2月20日 2時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
庵(プロフ) - 戦くん好きすぎる!!!!お話の作り方がお上手で一気に読んでしまった!更新楽しみにしています(◍ ´꒳` ◍ (2023年2月17日 3時) (レス) @page49 id: 58741a08e8 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - ハルマ(元Luma/瑶真)さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけて何よりです!( ´ ` *) (2023年2月13日 17時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年2月4日 21時