綺麗な薔薇には棘がある 一 ページ3
「お侍さん方、どうだい寄ってかないかい?サービスするよ」
吉原、見世の
「触るな下衆が。貴様らのような安い女を買いに来たのではない」
浪人は口悪くも遊女に向かって吠え、遊女は眉を寄せる。
「この遊里に『日輪』という江戸一番の花魁がいると聞いた。倒幕の志士としてぜひ傾国の美姫に酒を注いでもらいたいものだ」
「フンッ、日輪様がアンタらみたいな田舎侍相手にするかい。帰りな下衆が!!」
遊女が煽るように返すと、ガッと浪人が胸倉を掴んだ。
「きゃっ!!」
「貴様!女郎の分際で武士を愚弄するか!!」
「まあまあ落ち着け、一番の花魁に手が届かぬと言うなら、噂のあの第二席『星影』を買えばいい話だ」
横にいた浪人が宥める。
しかしその言葉を聞いて見世の中の遊女達はキョトンとし、全員一斉に笑い出した。
「アッハッハハッ!!アンタらのような汚ねー男なんざ、あの星影様が認めてくださるわけないよ」
「あの方はマトモな人としか話さない。アンタらは一つも言葉を交わさず態度と仕草だけで追い払われるわ」
「舐めやがってこのアマ!」
笑う遊女たちに浪人は青筋を浮かべる。
しかしその口角を上げた。
「まあいい、遊女は客を選べん。金を積めば首を縦に振るしかない。いわく星影は絶世の美女、上玉でありながらまだ男と床を共にしたことのない純潔と聞く。そちらを手篭めにする方が面白そうだ」
胸倉を掴まれている遊女が目を見開きフッと笑う。
「……クク。残念だけど、そんなことは無理さね。試しにあの人に触れてみるといい。アンタの手がなくなっても、知らないけれど」
「それにあんたら、この街でこんな真似してタダで済むと思ってるのかい。ここは吉原。
「女の世界だよ」
壁にもたれかかっている女が言葉を繋いだ
黄色い髪を上で結いキセルを持っている
動きやすくスリットのある着物に身を包み、黒いブーツをはいている美女
「ほう、いる所にはいるではないか。上玉が。いくらだ」
「……わっちを買いんすか」
「いくらだ、申してみよ」
「お代ならもう貰いんした」
遊女の胸倉を掴んでいた男の右手が宙に舞って落ちた
「ぎいやああああ!!」
女の右手には小刀があった
「きっ、貴様……吉原自警団の『百華』の者か!!」
仲間の浪人たちが抜刀しようと腰の刀に手をやるが、その腕はクナイに貫かれた
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時