好きな相手なら、笑わせてみせろ 二 ページ22
お妙は少し言葉を失うが小さく声を出した。
「……係ないわよ」
「！」
「来てくれって頼んだ覚えはないって言ってるの。もう私のことは放っておいて」
顔を背けるお妙の言葉に新八は目を見開き少し血走る。
バシンと乾いた音が鳴り彼がお妙の頰を叩いた。
「もういっぺん言ってみろコノヤロー！！お前いま何つった！！ぶべら！！」
格好よく決めていたが、予想外にもお妙が頬を叩き返してきて新八は情けない声をもらした。
メガネが落ちて床に腰をつき困惑して頬を押さえる。
「何回だって言うわよ」
「私だって……私だって皆とずっと一緒にいたいわよ！」
お妙は頰を腫らしながらも声を上げ、涙を流していた。
新八は彼女の泣き姿に目を見開いて驚いた。
「でも……でもダメなの！私が……私が九ちゃんの左目になってあげないと！」
「左目って。姉上、それはどういうことですか？」
「お妙ちゃん。君はそんな事をまだ気にしていたのか」
新八が困惑している中、外から九兵衛の声が聞こえてきた。
「新八君は知らないと思うが、幼い頃に僕は左目を失ってね。そこにお妙ちゃんも居合わせていたんだ」
彼は片手で土方を引きずってくる。
その後ろには土方の血の跡がついていた。
「責任を感じる必要はないと言ったのに。あの時があったから今の僕はある。左目と引き換えに、僕は強さを手に入れた」
「土方さん！！」
「これで君らは残り何人だ？いや、何人残っていようと大将である君を倒せば全て終わりか。Aと鉢合わなかったのは残念だが……新八君、悪いが君の大切な姉は僕がもらい受ける」
「ぐっ……もらい受けるだァ？ふざけた事ぬかしやがるじゃねーか」
土方は荒い息を吐いめ声を出した。
「おいメガネ。どうやら俺達ァとんだ茶番に付き合わされていたようだぜ。こいつ……」
「女だ」
彼の発言に新八は目を見開いた。
「え？……ちょ、女って。九兵衛さんが女って、どういうことっすか。姉上と結婚するとかって、そんなバカな事が……」
新八が何かに気づき冷や汗を流す。
「アンタまさか、ひょっとして……姉上を男と勘違いしているのか！？確かに姉上は胸が」
ダゴン！とお妙が後ろから新八に飛び蹴りをかました。
新八は庭に倒れて九兵衛が呆れる。
「九ちゃんは身体は女の子、でも心は……男の子なの。女の人しか愛せないのよ」
(本当の気持ちは誰に向いているのか……)
お妙は脳裏にAがチラついて、少し眉を下げた。
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刹那＊桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます！10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年1月6日 4時) (
レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください！ (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那＊桜 | 作成日時：2023年1月1日 3時
