第267話 前夜 ページ42
成宮side
公衆電話を前に、連絡先が書かれたメモを何回も確認しながらボタンを押す。
数回コールが鳴ると、はい、と綺麗な声で返事がくる。
成宮「もしもし、桜咲 美雪さんのケータイですか？」
『……何の用ですか？』
あの一言で全てを察知するとは、さすが俺の幼馴染。
美雪『どうやって……お兄ちゃんか、』
成宮「ご名答。」
知るはずのない人間がどうやって入手したかまでわかるとは。
アキさんとは連絡を取り合ってるし、アキさん経由で本人の許可もちゃんと貰ってる。
成宮「何て言われたの？」
美雪『“お前も知ってるやつが知りたがってるから、教えていいか？”』
成宮「え、雑。」
間違ってはいない。けど、正しくもない。
なんでわざわざ俺の名前を伏せてるんだ？
美雪『それで、要件は？』
成宮「確認と、美雪の声が聞きたくなっちゃった♡」
美雪『………冷やかしなら今すぐ切るよ。』
成宮「待って待って！ 冗談だから、ジョーダン!! 」
声のトーンガチすぎる。
電話越しに聞こえるペンを走らせる音。
またなんかやってんだろうなぁ。
美雪『明日、大事な日なんでしょう？ こんな時間に油売ってていいの？』
成宮「油ではなく、癒しを売って『話を逸らさない。』……ウス、」
機嫌は悪くない、むしろいい方。
どっちかって言うと、集中していて反応が淡白になっている感じ。
俺も長いこと、コイツの幼馴染やってるからな！
美雪『……途中で去年みたいに大ゴケしても知らないから。』
成宮「！ なんで知って！」
美雪『甲子園なんだから、何処でもテレビ中継してるでしょ？』
………そうでした。
コイツの趣味は野球観戦＋分析だった。
高校受験を控えた夏休みにやらないわけが無い。
ましてや、成績は言わずもがな。
成宮「せめてもの餞別で、相手チームのデータくれない？」
美雪『何言ってるの。自分のところの分析チームから貰って。
こう見えても暇じゃないの。』
成宮「ケチー、」
美雪のデータが1番信頼出来るのに。
さっきからペンを走らせる音が止まらないけど、何をそんなに分析するものがあるのだろうか、
成宮「えー、じゃあ何かご褒美頂戴よ。」
美雪『優勝したらね。』
成宮「言ったね！ 全国制覇確定だから。」
＿＿＿夏の甲子園が、開幕する、
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています！ (2020年3月26日 11時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - ありがとうございます！これから辛い場面になりますが、ご満足いただけるような物を書けるように頑張ります。楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年12月8日 21時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
江戸川らん - 続編おめでとう！決勝戦だと哲さん達が寂しくなりますね…。夏休みの薬師戦では薬師との絡みも見てみたいし、落合コーチの絡みも見てみたいですね…！楽しみにしてます (2019年11月25日 18時) (レス) id: f3c6ebb892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろうさぎ | 作成日時：2019年11月17日 21時
