第263話 事後報告 ページ38
美雪side
ほぼピストン状態の日帰りを行い、休んだ気はしない。
それでも、俯いてられない。
時間は有限なんだから。
美雪「失礼します。」
__それが、私の覚悟だ。
片岡「帰ったか。ゆっくり話が出来たか?」
美雪「はい。ご心配をおかけしました。」
片岡「“それ”は、」
美雪「私なりのけじめです。」
珍しくお茶を濁す。
そんなに気を使っていただくような大した理由などないのに。
美雪「実は、少々ややこしいことをしてきてしまって、」
片岡「話してくれ。」
美雪「はい。それが………」
洗いざらい、全部話した。
京都で祖母と話し、締結した内容を。
片岡「つまり、秋大会で優勝しないと、京都の学校に転校すると。」
美雪「はい。」
ぶっちゃけると、最後、祖母との言い合いは喧嘩腰になり、
椿『そないに意地張るんなら、優勝してもらわへんとな!』
美雪『ええ! 必ずそこまで導きましょう!』
椿『優勝せんやったら、こっち来てもらう! 構わへんな!? 』
美雪『いいですよ! なんなら、誓約書も書きましょうか!』
そう言って、勢いのままやったのだ。
売り言葉に買い言葉、まさに後悔先に立たず。
勢いであんな事言うんじゃない。
片岡「お前らしいが、お前もか。」
………“も”?
他に誰かそんな馬鹿な事した人が居たのだろうか。
片岡「そこまで覚悟決めてるのなら、頼むぞ。」
美雪「はい。それが私の仕事ですし、唯一出来る恩返しです。」
ここでは、生半可な気持ちじゃ居られない。
私自身、立ち止まったままでいたくない。
片岡「お前は、何処まで着いてくるか?」
美雪「監督が望むなら、何処までだろうが着いていきますよ。
ここに入って、この仕事を頼まれた時からそう決めてます。」
片岡「わかった。ありがとう。」
美雪「はい。それでは失礼致します。」
パタンと閉め、大きく深呼吸をした。
『腹をくくれ、“桜咲 美雪”』
何のために、あそこまでの無茶を言ってきたのか。
役目を果たすため、ここに居るため。
美雪「よし!」
そうと決まれば、夏大のビデオ全部見直し。
負けて立ち止まったままなら、弱いまま。
歩き出すしかないんだ。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - ありがとうございます!これから辛い場面になりますが、ご満足いただけるような物を書けるように頑張ります。楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年12月8日 21時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
江戸川らん - 続編おめでとう!決勝戦だと哲さん達が寂しくなりますね…。夏休みの薬師戦では薬師との絡みも見てみたいし、落合コーチの絡みも見てみたいですね…!楽しみにしてます (2019年11月25日 18時) (レス) id: f3c6ebb892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろうさぎ | 作成日時:2019年11月17日 21時