第242話 相似 ページ4
陽良side
陽良「お前、相変わらず目いいな。」
美雪「それはどうも有難う。」
陽良「……堅ぇやつ、
そういや、ばあちゃんと話出来たか? 」
美雪「………。」
じとおっと、こちらをあの目で見てくる。
父さん達は、コレに気づいてねぇのか?
まぁ、2人とも美雪の事を馬鹿みたいに猫可愛がりだったからなぁ、
それと対照的、冷たく当たっていたばあちゃん。
圧倒的な扱いの差よ。
美雪にとっては辛いことなんだろうな、
美雪「……やっぱりお兄ちゃんか、」
さすが。
根っからの堅物。
そんでもって、生まれてからあの土地を離れた事などほぼ無い。
関東の土なんか踏んだ事もねぇようなひとだからな。
そんな人間が、1人であの都心まで来れたのか?
そう思ったんだろうな。
美雪「……お兄ちゃん、本当に勘弁して。
心臓に悪いから、」
妙にげっそりと青い顔をしている。
なんか変な事したんか?
陽良「お前とあの1年投手、何処か似てるな。」
美雪「やっぱりそう思う?」
困ったように笑う。
視線の先には、例の投手。
『お兄ちゃーん! できたー!! 』
……あぁ、重なる。
陽良「お前はどう見る?」
美雪「何を?」
陽良「あの1年投手。相当期待してんだろ?」
美雪「さあ、ね。
沢村君はびっくり箱みたいな人だから。
この短期間で驚くほど成長を見せてきたから。」
陽良「それを期待っていうんだよ、」
美雪「期待してるのは、ここに居る全員。
そこんとこ、履き違えないで。」
………相変わらず。
八方美人。
誰にでも優しく、穏やかな人当たりのいいやつ。
誰かを贔屓する訳でも、キツく当たる訳でもない。
……コイツ、本当に、
美雪「お兄ちゃんは、どう見る?」
陽良「あの1年投手か?
……そうだな、やってくれそうな雰囲気はあるな。
お前にも似てるけど、鳴にも似てんな。」
そう言いながら、ブルペンを見る。
丁度、何か起きそうな予感。
陽良「……明日、勝てそうか? 」
美雪「正直微妙なとこ。五分五分。」
陽良「はは、素直なやつだな。
……その勝ちの1回を明日もってくればいいんだよ。」
美雪「引き寄せるのは私じゃないんだけど、」
陽良「お前もチームの1人だろ?」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き楽しみにしています! (2020年3月26日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
しろうさぎ(プロフ) - ありがとうございます!これから辛い場面になりますが、ご満足いただけるような物を書けるように頑張ります。楽しみにして頂けると幸いです。 (2019年12月8日 21時) (レス) id: 92f43ae53d (このIDを非表示/違反報告)
江戸川らん - 続編おめでとう!決勝戦だと哲さん達が寂しくなりますね…。夏休みの薬師戦では薬師との絡みも見てみたいし、落合コーチの絡みも見てみたいですね…!楽しみにしてます (2019年11月25日 18時) (レス) id: f3c6ebb892 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろうさぎ | 作成日時:2019年11月17日 21時