天才少女の過去を知る者はいない 6

第250話 サラっと ページ12

御幸side






結城「……お前も、(アキさんの事で)色々苦労したんだな、」



満場一致で、アキさんの件は解決した。


ここに居る全員が、アキさんの餌食であり、犠牲者だった。






伊佐敷「普段温厚で優しいから、落差が……。」



倉持「ほとんど完璧に近い状態でこなすから、誰も文句言えなかった…」


亮介「しかも、勉強も野球も陰でずっと努力してたからね。」


楠木「……もはや、文句のつけ所もなかったね、」


美雪「それ、すっごく分かります。」





………なんか、傷の舐め合いになってるが。






御幸「話変わりますが、桜。」


美雪「？ なんですか？ 」


御幸「お前、沢村と同じようなことしたらしいな。」


美雪「げ、」





おい、“げっ”とはなんだ、“げっ”とは。


仮にも先輩なんだが。





小湊「何その面白そうな情報。」


御幸「アキさんから貰いました。」←


伊佐敷「ナイスだ！」





さらに、より一層あからさまに顰めっ面をする桜。

それを肴に、より一層面白がる先輩方。




……一種のいじめのように思えたけど、後輩とのスキンシップということにした。






美雪「……リトルで、成宮 鳴と同じチームだったんです。」



伊佐敷「そんな事言ってたな、」



美雪「その、成宮 鳴の代のお別れ試合をした時に、成宮さんに負けたくなくて、意地になったんです。


足が思ったより外側で、そのまま無理矢理、無我夢中で投げたんです。」




……まあ、合ってはいるな。




美雪「結果、勝負には勝ちました。

けど、私は沢村君ほど肘や肩関節が柔らかくなかったので、主に肘を痛めました。

それを、お兄ちゃんが弄り続けてるだけです。」





……淡々と、あっさり簡単に説明していくけど、




伊佐敷「お前！ あの成宮に勝ったのか！？」


亮介「小学生だとしても、それは凄いね。

成宮はリトルの時から実力者だったんだろ？」


御幸「憎ったらしいですけど、そうです。」


結城「その時の事をもっと詳しく、」


倉持「哲さん！ オーラしまってください!! 」


楠木「末恐ろしい話、サラっと聞いてしまったなぁ、」


門田「……まったくだ。」






コイツが男だったら、そんな事考えただけでヤバい。


戦力アップどころの話じゃねぇ。

女でオールラウンダーなら、男だったらここに居る全員が、レギュラーの座が危うかったぞ。

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