第67話 ページ22
翌朝。
ジリリリリ！という喧しい音を立てる目覚まし時計に、Aの安眠は妨害された。
目覚めたAはやや不機嫌そうな手つきでアラームを止め、むくりと起き上がる。
「・・・うぅ、もう・・・まだ7時なのに・・・」
普段の生活ならまだ夢の中にいる時間。そんな時間に無理矢理起きるのがどれだけ大変か。
だがまぁ今日ばかりは仕方がない。そう自分に言い聞かせて、気だるそうに着替えを済ませる。
「風間さんにあんなこと言った手前、初日から寝坊はさすがにアウトだよね・・・
だけど仕方ないにしても・・・眠っ・・・」
そうぼやきながら欠伸で涙の溜まった目を擦り、ベッドから降りてカーテンの方向へ。
そして、両開きのカーテンとともに大きな窓を一気に開け放つ。
朝の爽やかな日差しが部屋の隅まで浸透し、同じ光を浴びたAは深く息を吸い込む。
朝露の湿った匂いや冬独特の冷えた空気、そしてそれに混じって漂ってくるのは・・・
「Aちゃん起きてる〜？レイジさん特製の朝ご飯、冷めちゃうよ〜？」
ものすごく食欲を刺激される、美味しそうな・・・というか絶対美味しい朝食の香り。
なんせあの完璧万能手が作った食事だ。美味しくない訳がない。
さらに彼の料理はカロリー計算、栄養バランスともに緻密で完璧。
独り暮らしの寝坊癖と偏食のせいで不安定なAには、相当ありがたい栄養補給源である。
もう玉狛に住みつきたいくらいだ・・・などと物思いに耽っていると、再び声がかかる。
「Aちゃ〜ん？先に朝ご飯食べちゃうよ〜？」
「・・・あ、ごめん！今行く！」
その声で現実に引き戻されたAは、髪を整えるのもほどほどに部屋のドアノブに手をかけた。
妙にしっくりくるそのノブを回してドアを開けると、そこにいるのは呆れ顔の迅。
ごめんごめんと悪びれない表情で謝るAに、彼はふと、新しい未来を視た。
Aが可愛い後輩たちと幸せそうに笑っている、そんな未来だ。
そう遠くないこの未来は、訪れるのか訪れないのか。それは迅にも分からない。
確率の世界とは、それほどにシビアなものなのだ。
「あ、そうだ。今日の迅は24%、本部に行くなら気を付けてね」
そう考えると、目の前の彼女の能力は一体何なのだろうか。
疑問に思う迅の視線など意にも介さず、Aは軽い足取りでリビングへと向かっていた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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シロナ(プロフ) - 世界さん» 温かい応援をありがとうございます！世界さんが楽しんでいただけたのなら幸いです。できる限り更新のほうも善処しますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2016年6月6日 22時) (
レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
世界 - とても面白いです（≧∇≦）更新頑張ってください。 (2016年6月6日 18時) (レス) id: 5b7a28e31b (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 銀河さん» 温かい応援ありがとうございます！銀河さんのご期待に沿えるように、精一杯更新していこうと思います。私事により更新ペースはかなり遅いですが、よろしければ気長にお待ちいただけると嬉しいです。 (2016年1月19日 20時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
銀河 - とても面白かったです！シロナsが書く文章がとても読みやすかったです。頑張ってくださいね。 (2016年1月17日 7時) (レス) id: 550193059d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロナ | 作成日時：2015年10月23日 23時
