『ワールドトリガー』私の彼氏は黒トリガー (ページ11)

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第9話ページ11

それから暫く議論は続き、とうとう議題は本題に入った。

修が先程遭遇したイルガーによる襲撃で、少なくとも18名が命を落とし、重軽傷者は100名以上、

建物の被害も数知れず、このような被害は第一次近界民侵攻以来の大惨事だという。

今はトリオン障壁で門を強制封鎖しているが、それもあと46時間しかもたない。

46時間以内に対応策を練らねばならないのだ。

「・・・で、おまえたちが呼ばれたわけだ。やれるか？迅、A」

くわえ煙草の林藤支部長が二人にそう尋ねる。

すると二人はまるで謀ったかのように声を揃え、「もちろんです」と答えた。

迅はその後に「実力派エリートですから」と付け加え、修の肩に手を置く。

「そのかわりと言っちゃなんですけど、彼の処分はおれに任せてもらえませんか？」

この発言にはとうの本人である修も驚いた。

いままで蚊帳の外だった自分が、いきなり話題に引っ張り出されたのだ。驚くのも無理はない。

「・・・彼が関わっているというのか？」

「はい、おれのサイドエフェクトがそう言ってます」

城戸司令の問いに迅は自信ありげに答えた。

迅の答えを受け取った城戸司令は、「君はどう思う？」とAに話題を振る。

「今はまだ、何も。・・・ですが、彼の“数値”が異様に高いのは確かです」

私たちに任せていただいて問題ありません、と言い切るA。

そんな二人の姿を見て、修は少しの戦慄を覚えたのであった。