『ワールドトリガー』私の彼氏は黒トリガー (ページ2)

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第1話ページ2

皆さん、おはようございます。

今は朝の7時53分。学生は学校へ向かっている時間です。

そんな中、“ぼく”こと三雲修は・・・

「おい、聞いてんのかコラ！」

「おとなしく出すモン出せって言ってんだよ！」

「持ってねーワケねーだろ？ほら、出せよ！」

朝から、不良に絡まれております・・・

曲がり角でちょっとぶつかっただけなんだ。それだけなのに今この状況。

腕を引っ張られて連れて行かれた先は、警戒区域内の潰れたコンビニの駐車場だった。

人目につきにくいし、学生に絡むなら恰好の場所なんだろう。何だかやり慣れてる感があった。

でも、どうしよう。このままだと・・・

ぼくはそう思って、ちらりとコンビニ横にあった時計を見た。

あれがちゃんと正常に動いているのだとしたら、完全に遅刻になるまであと7分。

ここから学校までは、急いでも5分かかる。

「(急げば、間に合うか・・・？)」

どうにかして、こいつらをやり過ごす方法を考えよう。

こういうときは、どうしたら一番効果的なんだろう・・・

「・・・オイ、聞いてんのかお前。オイ！」

意識を内側に集中させていたら、目の前の不良が突然キレた。

反転する視界。全身に響くような衝撃。

殴られたのだと気付くのに、ぼくは数秒を要した。

「聞いてんのかっていってんだよ、お前！なめてると痛い目見るぞ！」

「・・・ッ」

不良を睨みつけながら、ぼくは立ち上がった。

どうしたらいい？時間はあと5分しかない。

逃げるか？いや駄目だ。

戦うか？いや、もっと駄目だ。

助けを求めるか？警戒区域内で、いったい誰に？

諦めるか？その選択はいちばん駄目だ。

なら、ぼくはどうしたら・・・

「こんなところで、一体何をしている？」

突如、そこにはいないはずの女性の声が響き渡った。

声のした方を向くと、見たこともない形のバイクから降り、こちらへ近づいてくる女性の姿が。

フルフェイスのヘルメットを被っているので顔は分からない。

しかし、その体から放つ“オーラ”は本物だった。

「ここは警戒区域内。一般人は立ち入り禁止のはずだ。もう一度訊こう、何でここにいる？」

先程の一部始終を見ていたのだろう。不良たちに向かって女性は冷たく言った。

「・・・何だこの女。ムカつく口叩きやがって・・・まぁいいや。やっちまえ！」

ひとりの男の号令により、不良たちは一斉に女性に飛びかかった。