第13話 ページ15
迅の指揮のもと、C級隊員まで動員した一斉駆除作戦が行われた。
作戦は昼夜問わず続けられ、とうとう46時間以内に全部片付いてしまった。
「しかしホントにまにあうとは。やっぱ数の力は偉大だな」
体中に穴が空けられ、無造作に積まれたラッドを見ながら遊真が言う。
その言葉を耳にした迅は、「何言ってんだ」と遊真の頭に手を置いた。
「まにあったのはおまえとレプリカ先生のおかげだよ。
おまえがボーダー隊員じゃないのが残念だ、表彰もののお手柄だぞ」
わしゃわしゃと頭を撫でられ満更でもない様子の遊真は、思いついたようにふと修を指差す。
「じゃあその手柄はオサムにツケといてよ。そのうち返してもらうから」
「・・・え？」
いきなりの提案に驚く修とは打って変わって、迅は「あーそれいいかもな」と頷いた。
「メガネくんの手柄にすれば、クビ取り消しとB級昇進はまちがいない」
「ま、待ってください。ぼくほとんど何もしてないですよ！？」
それなのにぼくの手柄だなんて、と渋る修に、迅はいつもの締まりのない顔でおどける。
「メガネくんがいなかったら遊真たちに会えてないし、地味に重要人物なんじゃない？」
「そんな無理やりな・・・」
「いいじゃんもらっとけよ」
おれの手柄がナシになっちゃうじゃん、と遊真もおどけた口調で修に言った。
それでも少し抵抗があるのか遠慮がちな修に、今度は真剣な面持ちで迅が諭す。
「B級に上がれば正隊員だ。基地の外で戦っても怒られないし、トリガーも戦闘用のが使える。
おれの経験から言って・・・」
パワーアップはできるときにしとかないと、いざって時に後悔するぞ。
その言葉が妙に説得感があって、真剣みを帯びていて。
修は反論どころか、一言も声を出せずに迅と遊真のほうを見るだけだった。
その様子に納得してくれたと思ったのか、それに、と言葉を付け足す迅。
「たしかメガネくんは・・・
助けたい子がいるから、ボーダーに入ったんじゃなかったっけ？」
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作者名：シロナ | 作成日時：2015年7月20日 10時
