第8話〜とある異界〜 ページ10
・・・
ここはとある暗闇の異界。
そこには、様々な形の椅子が7脚、暗闇に浮かぶように点々と置かれていた。
その椅子のうちのひとつ、薔薇の棘をあしらった真っ赤な椅子の主はため息を漏らした。
「あー・・・ヒマだヒマだヒマだぁーっ！！ヒマすぎて死にそうだぁ・・・」
椅子の色と同じく真っ赤なショートヘアを振り乱し、退屈に悶える男勝りの少女。
「あーあ。どっかにオレを燃え上がらせるような強いヤツはいねーのかァ・・・？」
そんな風に退屈を連発する赤髪の少女を嗜めるかのように、もうひとつため息が漏れた。
「すでに暑苦しいアンタを燃やすなんて無理な話よ。ていうかラージス。
アタシの近くに寄らないでちょうだい。汗臭いのがうつったらどうしてくれるのよ？」
白髪に黒のメッシュを入れた少女がニタリと嗤った。
「んだとエンヴィタ！！テメーこそオレに近付くんじゃねェ！
ドロッドロの嫉妬心がうつったらどうしてくれんだ！あぁん！？」
「あら？アタシは真実を述べたまでよ。汗臭いのに汗臭いと言って、何が悪いの？」
売り言葉に買い言葉。ラージスとエンヴィタの口喧嘩は止まるところを知らない。
「ホント気分悪いわ・・・何でアンタみたいなハンパな奴が“セブンス・クリミナル”の
一員なのよ・・・」
「単純なコトじゃねぇか・・・“オレが憤怒の化身だから”、だろうがよォ。
そもそもテメーも何でそんな趣味悪いカッコしてんだよ。」
「それはアタシが“嫉妬の化身”だからよ。それとも何？
アタシのこのファッションセンスが羨ましいの？」
白黒のマントをひらひらさせてニヤつくエンヴィタ。
それに応じるようにラージスは鼻を鳴らした。
「ハッ。誰がそんな趣味悪い白黒装束なんか着るか。オレはまっぴらごめんだねーっ！」
「何ですって・・・白と黒の美しさも知らないクセに！！」
そう言ってエンヴィタは足元に魔方陣を展開させた。
「お、久しぶりにやるかァ・・・？」
そう言い返すラージスの腕からは、炎が上がっていた。
二人は暫く睨み合い、突如相手に飛びかかって魔法をぶつける・・・
“やめなさい。ラージス、エンヴィタ。”
ことはなかった。
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます！コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2014年12月14日 14時) (
レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も７つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ！更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう！頑張って書くね！！なんかリクエストあったら教えて！ (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - すっっっごくおもしろかった！！続きが楽しみ！また学校でもいろいろ話そう！ (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロナ | 作成日時：2014年11月9日 23時
