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第46話 ページ49

想像していたよりも軽い音をたてて、魔水晶は崩れていった。


粉砕された魔水晶がキラキラと輝くその向こう・・・


今まで封印の魔水晶があった所に、グレイは人影を見たような気がした。


「・・・ん?・・・あれ、俺はいったい何を・・・」


自分の置かれている状況が理解できず、混乱するグレイ。


そんな間にも、その人影は幻から影・・・影から形へと姿を変えていく。


冷気を纏ったその“形”は、最後に“人”へと変わり、石版の上・・・


すなわちグレイの前へと降り立った。


ようやく頭の中の整理がついたグレイが、顔を上げ、目を見開く。


そこには・・・


“・・・封印を解いたのは・・・お前だな・・・それについては、感謝しよう。”


黒いストレートの長髪に、タレ目だが鋭く冷たい瞳をもつ、少女がいた。


少女はその冷たい瞳をグレイに向け、凛とした声で・・・というか念話で話しかける。


“しかしひとつ聞いておかねばならん・・・少年よ。”


少女の視線の先にいる、“少年”と呼ばれた者・・・グレイは、少女の容姿に、


ただひたすら、言葉も出ない程に驚いていた。


“私を封じた者が何者か、知っているか・・・って、聞いてるのか、少年?”


「・・・お、オイオイ・・・これぁ・・・何の冗談だよ・・・」


強張った顔で、掠れた声で、グレイが少女を見据えた。


「(俺は、封印を解いたのか・・・?いや、“解いた”っていう記憶がねぇ・・・
 つーかそれ以前の問題だ・・・)」


“・・・質問に答えろ。少年。知らないならそれでいいのだ。・・・おい?”


聞こえてるのか?と訝しげにグレイを見る少女。


その姿や雰囲気、仕草。そのどれもが・・・


「・・・“俺”・・・?」


・・・グレイに、あり得ないほど酷似していたのだ。


「どういう事だよ・・・俺が、もう一人・・・?何だよ、分身でもしちまったのかよ・・・」


「いえ・・・正確には、“グレイ様の容姿の情報を基に構築した”という感じでしょうか。」


声のした方を勢いよく振り返ると、燕尾服を着た青年・・・グリーディスが立っていた。


「なんだよそれ・・・意味わかんねぇぞ・・・」


詳しく説明しやがれ、と詰め寄るグレイを、グリーディスが優しく宥める。


「詳しいお話は、洞窟を出てからということで・・・ここももう危険です。
 私たちも、早く脱出いたしましょう。」


そう言ってグリーディスはグレイと少女の手を取り、転送魔方陣を展開した。

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作品ジャンル:アニメ
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます!コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も7つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ!更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう!頑張って書くね!!なんかリクエストあったら教えて! (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
- すっっっごくおもしろかった!!続きが楽しみ!また学校でもいろいろ話そう! (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロナ | 作成日時:2014年11月9日 23時

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