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第42話〜番外編・日の出の国、ジパング9〜 ページ45

溢れだした魔力が煙となり、そこにいる悪魔の姿をぼやけさせる。


やっと煙が晴れ、転生したばかりの悪魔・・・エンヴィタの姿が見えた。


「驚いたな・・・そこまで影響を受けないとは・・・」


そう・・・エンヴィタの姿は、転生する前と後でほとんど違いが見えないのだ。


強いて言えば、白髪に黒っぽいメッシュが少し増えただけ。


・・・普通、人間が悪魔に転生すると、魔力に差というものが生じる。


その差を埋めるためか、転生後の姿は悪魔に近くなるのだ。


プライディアは髪と瞳の色が、優しい金色から刺すような銀色に変わった。


グリーディスは身体年齢・・・すなわち体の見た目が24歳で固定されてしまった。


大きな罪の“素質”を持つ二人でさえ、こんなにも変わったというのに・・・


「(もしかして・・・もともと“嫉妬”の罪と関係していた・・・?
 ・・・確かエンヴィタは妖の血縁者・・・仮に母親が“妖狐”の一種だとしたら・・・)」


そこまで考えて、私は首を振った。


「今は、考えなくてもいいことだな・・・」


転生してから少しも動かない彼女の前に歩み寄り、声をかける。


「どうだ?エンヴィタ。
 代償として何を失ったのかは知らないが・・・お前は今、生まれ変わった。
 転生したその姿で、初めに何がしたい?」


「・・・ねぇ・・・お姉ちゃん・・・」


「何だ?」


瞳孔が開ききったその瞳で、エンヴィタが私を見つめる。


「わたしがいた国の名前・・・なんだっけ・・・っあぁ!!」


ひどい頭痛に襲われたように、頭を抱えて倒れ込むエンヴィタ。


私は咄嗟にエンヴィタを受け止めた。


「エンヴィタ!?・・・まさかお前、“記憶”を代償に・・・?」


しかしそれだと辻褄が合わない。


今までの記憶を代償にしたのなら、私のことも憶えていないはず・・・


「エンヴィタ・・・お前、自分が着てる服の名前・・・言えるか?」


「・・・これ、は・・・“着物”・・・」


掠れた声で・・・しかし確かに、エンヴィタが答える。


「じゃあ・・・母親の、名前・・・言えるか・・・?」


当たり前なことを答えるように、エンヴィタが口を開く。


そして、固まる。


「・・・両親と暮らしていた、村の名前は・・・?」


「・・・あ、れ・・・おかしいなぁ・・・?・・・思い・・・出せないや・・・」


私を見て、にへら、とぎこちない笑みをするエンヴィタ。


“両親”に関する全ての記憶を失った少女の、新たなる人生が始まった。

第43話・・・久しぶりの本編ですbyシロナ→←第41話〜番外編・日の出の国、ジパング8〜


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作品ジャンル:アニメ
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます!コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も7つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ!更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう!頑張って書くね!!なんかリクエストあったら教えて! (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
- すっっっごくおもしろかった!!続きが楽しみ!また学校でもいろいろ話そう! (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロナ | 作成日時:2014年11月9日 23時

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