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第37話〜番外編・日の出の国、ジパング4〜 ページ40

騒ぎを起こした街から出て数十分。


私と少女は、名も知らない森の中にいた。


「緊急時だからな・・・仕方ない。」


そう呟く私を見て、頭の上に?マークを浮かべる少女。


「まぁ、そう心配するな。
 ・・・“色欲の罪”をベースにした超回復魔法・・・」


突如、少女を中心に魔方陣が展開される。


直径2メートルほどの淡いピンク色の光の円が、少女を包み込んだ。


「大罪奥義・・・“罪神の慈悲”!」


まばゆい光が収まった後、少女が恐る恐る自分の体を見る。


「・・・!キズ、が・・・」


血が滲み、擦り傷や痣だらけだった少女の体はすっかり綺麗になっていた。


「・・・ついでに服も直しておいたぞ。
 その服・・・“着物”、といったか。それ、いいな。」


私も欲しいぞ、と少女に微笑みかけると、少女は疑わしげにこちらを見つめた。


「助けてくれて・・・ありがとう・・・
 でも、お姉ちゃんは・・・いったい何なの・・・?」


その目は、“人ならざるモノ”に向けるような目だった。


私を恐れるその姿が、“あの時”の光景と重なって・・・


「お姉・・・ちゃん?」


「あ・・・いや、何でも・・・ないんだ。・・・私の正体、だったな。
 私は、フィオーレという国・・・外国から来た渡航者だ。
 私の使うこれは“魔法”というもの。
 フィオーレでは当たり前のように人々の生活に溶け込んでいるんだよ。」


優しく、丁寧に・・・誤解のないように正体を明かす。


白髪の少女は目を丸くし、さぞ興味深そうに私の話に聞き入っていた。


「“ふぃおーれ”・・・“魔法”・・・お姉ちゃんは、魔法使いさん・・・?」


「そう、だな・・・正確には、魔導士だが。」


苦笑する私に、少女がいきなり抱きついた。


「やっと・・・来てくれたんだね・・・魔法使いさん・・・!」


「・・・?」


私には、少女の発する言葉の真意が掴めない。


なんとなく、“魔法使い”に憧れていることは理解できる。


ただ、それが何を意味するのか・・・


「ひとつ、聞いていいか?」


直接、聞いてみることにした。


「・・・なあに・・・?」


「お前、あの街で・・・あの場所で、何をしていたんだ・・・?」


瞬間、少女の顔が暗いものに変わる。


「わたし・・・前にいた村から、追いだされて・・・」


幼い少女の壮絶な過去が、零れだした。

第38話〜番外編・日の出の国、ジパング5〜→←第36話〜番外編・日の出の国、ジパング3〜


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作品ジャンル:アニメ
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます!コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も7つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ!更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう!頑張って書くね!!なんかリクエストあったら教えて! (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
- すっっっごくおもしろかった!!続きが楽しみ!また学校でもいろいろ話そう! (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロナ | 作成日時:2014年11月9日 23時

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