第31話〜番外編・ある聖夜の物語4〜 ページ34
「・・・どうでしたか？」
銀髪の子供がニコリと笑う。
いつの間にか、プライディアはグリーディスの部屋に入ってきていた。
「それからわたくしは、Aに従って生きていくことを決めました。
あなたのようにゼレフが関わっている事件も、つらいことだとは思いますが・・・
わたくしのように、普通に生きていてもつらい目に遭う者がいることを、
どうか忘れないでほしいのです。」
「・・・」
グリーディスは言葉を失っていた。
血の繋がった家族に殺される。
それは・・・悪魔によって両親を失った自分よりも、遥かにつらい経験。
それでもこの少女・・・プライディアは、こんな風に笑っている。
自分と同等・・・いやそれ以上の闇を抱えているはずなのに・・・笑っている。
「Aがわたくしを救ってくれたように・・・わたくしもあなたを救いたい。
今はまだ無理かもしれませんが・・・いつか、きっと・・・
あなたが心から笑える日が来ることを、願っていますから・・・」
その言葉は、その姿は・・・
心が荒んだグリーディスにとって、まるで女神のような眩しさで・・・
「・・・なん、で・・・」
木製の床に、ぱたりと何かが落ちる。
「誰よりも苦しいはずなのに・・・
誰よりも悲しいはずなのに・・・っ！」
床へと零れ落ちる涙は、止まることを知らない。
「・・・どうしてそんなに綺麗に笑えるんだよ・・・！！」
「・・・“人は、苦しみを乗り越えてこそ強くなれる”・・・
Aの言葉に、従っただけですわ。」
プライディアがそっとグリーディスを抱き寄せた。
それと同時に、グリーディスが嗚咽を漏らして泣き出す。
「あなたを導く光がないなら・・・
わたくしが、あなたの光になって差し上げますわ・・・」
美しく笑う彼女には、本当に光のような優しさがあった。
〜in宴会場〜
「・・・遅かったじゃないか。プライディア・・・っと。
おまえも来たんだな。グリーディス。」
プライディアと手を繋ぎ、宴会場に姿を現した蒼髪の子供に呼びかけるA。
蒼髪の子供・・・グリーディスは、コクンと小さく頷いた。
「そうかそうか・・・ようやくプライディアと“本当に”仲良くなれたみたいだな。
でも、おまえの本当の試練はここからだ。分かっているな？」
「・・・うん。」
そう言って、繋がれた右手をぎゅっと握るグリーディス。
・・・少しだけ、彼の表情に光が戻りつつあった。
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます！コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします！ (2014年12月14日 14時) (
レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も７つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ！更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう！頑張って書くね！！なんかリクエストあったら教えて！ (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
紫 - すっっっごくおもしろかった！！続きが楽しみ！また学校でもいろいろ話そう！ (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロナ | 作成日時：2014年11月9日 23時
