フェアリーテイル〜大罪魔法と神魔の子〜

第24話 ページ27

〜in・円卓の間〜


「くそッ・・・！」


燃え盛る炎の中で対峙するラージスとナツ。


「妖精の炎も大したことねぇなぁ・・・もっと本気出してみろよ！！」


最も有利に戦える相手なはずなのに、苦戦しているのはナツのほうだった。


「ファイアメイク・・・“爆炎の王冠(フレイムクラウン)”！！」


炎で出来た巨大な王冠が、ナツの頭の上に現れる。


「燃え尽きろォ！！」


両手を重ねたまま、その腕をナツに向かって振り下ろすラージス。


その姿は、まさに悪魔。


「ぐああああ！！」


炎に強いはずのナツが、炎に包まれて苦しんでいる。


「“苦しくて食えねェ”・・・な・・・なんなんだ・・・お前の炎は・・・っ！！」


絞り出すような声で、ナツが問う。


「オレの炎は“憤怒”の炎。
　人間の怒りの感情が、オレの魔力の源だ。
　食うのが苦しい？・・・当たり前だろ。だってオレの魔力は・・・」


ナツの足元に新たな魔方陣が展開される。


「な、何だコレ・・・？」


「“炎柱(プロミネ)”」


ラージスが小さく呟く。


それと同時に、先程とは比べものにならない豪炎が、ナツを襲った。


「“爆炎闘刃・弐炎流(ばくえんとうじん・にえんりゅう)”！！」


ラージスの手に二本の刀が握られる。


その刀身には禍々しいほどの魔力をもつ炎が宿っていた。


未だに炎に包まれ、身動きが取れないナツに突っ込むラージス。


「(やべぇ・・・やられる・・・！)」


反射的に目を瞑るナツ。


ところが、いっこうに終わりの瞬間は訪れない。


不思議に思って目を開けると・・・


「勝負、ついたな。炎の兄ちゃん。」


刀の切っ先をナツに突きつけ、不敵に笑うラージスがいた。

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