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第19話〜強欲の化身の過去〜 ページ21

(今回は主にグリーディスの語りです。)



私はフィオーレよりもっと北に位置する雪国の生まれ。


良家のひとり息子として、何一つ不自由のない生活を送っていました。


欲しい物は望めば何でも手に入れることができる・・・そんな立場に酔う子供。


それが私の本質でした。


しかし、そんな夢のような時はそう長くは続きません。


私が6歳の誕生日を迎える前の夜、すべてが失われてしまったのです。


ゼレフの作りだした悪魔・・・“クルォール”によって。


あの巨大な悪魔に、人は成す術がありませんでした。


無論、私もそうだったのです。


父と母は悪魔に捕食され、私を連れて屋敷から逃げ出したメイドも死にました。


あっという間に火の海になった街で、私は怯えることしかできませんでした。


散々クルォールに打ちのめされ、もう死ぬしかないんだと思った矢先・・・


クルォールが何者かの手によって消滅したのです。


その何者かは瀕死の私を抱え上げると、何処かへと歩き出しました。


うまく機能しない喉で、おまえは誰かと問いました。


するとその何者かは私に笑いかけ、“神”だと答えました。


それが、我が主・・・否。“我ら”が主、Aとの・・・出会いでした。


次の日の朝・・・私が目覚めると、体に深く刻まれていたはずの傷が・・・


どこにも見当たりませんでした。


不思議に思って辺りを見回すと、私に寄り添うかのように眠っているドレス姿の少女がいました。


目を覚ました私に、Aはこう言いました。


「一晩中、お前を心配して寄り添っていたんだよ」と。


手当てと同時に治癒魔法をかけていたのもその少女だと。


私は改めて、ここは何処なのか、何故私を助けたのかをAに問いました。


返ってきたのは単純な言葉でした。


「ここはギルド、氷柱の王冠(アイシクル・クラウン)。
 色々な理由で孤児になってしまった子を助けるためのギルドだ。
 それと、私はここのマスター・A。
 ゼレフの作りだした悪魔を討伐するのが、私の仕事だ。」


その日から、私はAを“命の恩人”として尊敬し始めました。


勿論、つきっきりで看病してくれたドレス姿の少女にも。


私の、新たなる人生が幕を開けたのです。

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作品ジャンル:アニメ
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シロナ(プロフ) - ユノさん» ありがとうございます!コメントを頂くとすごく励みになります・・・更新頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ(プロフ) - 私も7つの大罪シリーズ好きです!!この小説面白いですよ!更新頑張ってください!! (2014年12月14日 14時) (レス) id: 90244c805f (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 紫さん» ありがとう!頑張って書くね!!なんかリクエストあったら教えて! (2014年12月1日 21時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
- すっっっごくおもしろかった!!続きが楽しみ!また学校でもいろいろ話そう! (2014年11月29日 3時) (レス) id: d55e707bcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロナ | 作成日時:2014年11月9日 23時

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