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次の日13日にAがくれた物は、案の定、俺が予想した、チョコブラウニーとトリュフで。
ニヤニヤを抑えきれずに受け取ると、AもAでこっちが気付いたのを察したのか、「…なに」と不貞腐れたように言うから、「何でもねえよ」と言いながらも思わず吹き出してしまった。
そして、14日。
ここ数日、帰宅すると甘い匂いがずっとする。
Aがくれた物は、今までの記憶にはない物だった。
「…スフレだ」
白い陶器の入れ物から盛り上がるように膨らんで、見た目からしてふわふわなココア色のそれ。
焼き立てを食後のテーブルに出されて、思わず見惚れた。
「はやく！出来立てが一番美味しいんだって！」
俺の感動はどうでも良いのかよ。急かすAに呆れつつも、スプーンで一口すくって口に入れた。
「あつ！けど美味い…」
出来立てだからめちゃめちゃ熱いんだけど、甘くて、ふわっと溶ける食感。
目の前に座ったAは、俺の様子を見てホッとしたように息をついて、笑顔を見せた。
「…良かった」
そこで、ふと疑問が湧く。
「…なんで今日…っていうか、今年は、コレなの？」
目の前のAは、俺の質問を聞くと、自分にも作ったスフレをつつきながら、恥ずかしそうに少し目線を落として話し出した。
「あのね、昨日までのは、今までわたるにバレンタインデーにあげたお菓子なの」
「…うん、それは途中から気付いた」
「だよね」
わたるなら気付くと思ったんだ、と、バツの悪そうな顔で笑うAは、言葉を続けた。
「今まであげたものをなぞって、今までありがとう、って気持ちと、…今年のは、…これからもこのままでよろしく、ってことで…一緒に居るからこそあげられるものにしよう、と思って」
確かに俺たちは同棲しているから、出来立てを食べた方が良いスフレなんかはそういう意味では向いてるお菓子だとは思う。
これからも、このままで。
ずっと一緒に居たい、っていう彼女の気持ちが表れていて、それを理解した俺の方も、嬉しくて、愛しい気持ちが溢れそうで。
スフレを口に運ぶ手を速めた。
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しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさん！ご無沙汰してます、コメントありがとうございます〜！SWEET〜のお話は、私が原曲とても好きなので入れさせてもらいました。一応新作もちまちまと制作はしてますが相変わらずいつになるか分からないんで…また覗いてやってください。ありがとうございます！ (2021年4月25日 11時) (
レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - 更新お疲れ様でした！遅ればせながら全部読ませていただきました、どのお話もすごく素敵でキュンキュンしました…！特に最後のお話はSWEET TASTE PRESENTの歌詞が所々に散りばめられていて、呼んでいてワクワクしました！また次の更新があれば楽しみにしてますね！ (2021年4月22日 20時) (レス) id: 40064b36ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2021年2月14日 18時
