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しばし無言で、俺と同僚は彼女の背中を見送った後、恐る恐るお互いに顔を見合わせた。
「…センラ、お前ちょっと見せてみろよ」
「あ、ああ…」
同僚の圧に押されて、今しがた受け取ったAちゃんからの包みを見せる。
同僚は、それと、自分の貰ったものを並べて、ジロリとこちらを睨んだ。
「…お前、Aちゃんの弱味でも握ってんの？」
「いやなんでそうなんねん」
「いや、脅しでもかけてるのかと」
だって明らかに違うじゃん、と呟きながら改めて袋を見比べる同僚。
確かに、俺の貰った袋の方が少し大きいし、違う物が入ってる気がする。
「じゃあ、これって、…やっぱり、そういうこと？」
モテる男は良いよな〜、なんて、わざと拗ねたような口調で言う同僚に苦笑する。
「いや俺に聞かれても…」
落ち着いた風に答えたけど、俺だって内心穏やかではない。
と言うのも、最近、彼女の事を気にかける事が多くなったなあ…と自覚しつつあったのだ。
男の多い営業部の中で彼女の笑顔は癒しになるし、頼んだ急ぎの用件なんかもこちらの様子を察してすぐに応えてくれる、まさに花のような存在。
他の女性社員は既婚やったり相手のいる方が多いのもあって、Aちゃんを部内の独身男達が放っておくはずもなく、個人的に食事とかに誘ったけどやんわりと断られた…みたいな話も何回か聞いていた。
俺が誘ってもまあ無理やろなー、と思っていたので、何もしてなかったんやけど…まさか、彼女の方からこんなアプローチがあるとは。
とは思ったものの、仕事が忙しかったのとタイミングが合わへんかったのもあり、バレンタインデー以降、Aちゃんに直接袋の大きさについて聞くことが出来ずにいた。
けど。
数日後、奇跡みたいな事が起きた。
その日は年に数回の「全社営業日」というやつで、社内の人間のほとんどが部署関係なく外へ営業に出ると決まっている日だった(まあ、他の部署の奴が営業の事を知っとけ、みたいな感じらしいけど…それになんの意味があるのかは俺にも分からん)。
当然、普段は社内で仕事をしている営業事務の子達も、営業部の誰かに同行という形で行く事になっていて、今回はホンマに偶然、Aちゃんが俺に付くことになった。
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しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさん！ご無沙汰してます、コメントありがとうございます〜！SWEET〜のお話は、私が原曲とても好きなので入れさせてもらいました。一応新作もちまちまと制作はしてますが相変わらずいつになるか分からないんで…また覗いてやってください。ありがとうございます！ (2021年4月25日 11時) (
レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - 更新お疲れ様でした！遅ればせながら全部読ませていただきました、どのお話もすごく素敵でキュンキュンしました…！特に最後のお話はSWEET TASTE PRESENTの歌詞が所々に散りばめられていて、呼んでいてワクワクしました！また次の更新があれば楽しみにしてますね！ (2021年4月22日 20時) (レス) id: 40064b36ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2021年2月14日 18時
