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『職場の先輩後輩』
(………今年もやってきたか)
2月14日。世間で言う、バレンタインデーっちゅーやつや。
残念ながらウチの職場は、未だに社内の義理チョコ制度が存在していて、この日は女子社員の皆さんが、いかにも形式的なもんですー、みたいな顔でチョコを渡してくる。
ええ加減この制度無くせや、お返しせなならんこっちの事も考えてくれや…とは思うものの、慣例ながらも毎年用意してくれる女子社員の方々は悪くないので、笑顔を作って受け取った。
「あ、斎藤さん、折原さん！いつもお世話になってます！」
ニコニコしながら、俺と、隣のデスクに座っていた同僚に近づいてきたのは、営業部で事務を担当してくれている３つ下の後輩、AAちゃんだ。
いつもは仕事もきちんと出来て、落ち着いている印象なのに、今日はどこかそわそわしている。
手には紙袋を下げていて、用件を察した。
「お疲れ、Aちゃん」
ヘラリと笑って挨拶を返す同僚を横目で見ながら、俺も「お疲れさん」と返した。
Aちゃんは、持っていた紙袋から小さな袋をひとつ取り出した。
「バレンタインデーなので…少しですけど、作ったので、どうぞ」
「ありがとう。作ったんだ！？凄い、上手だね！」
綺麗にラッピングされた袋を手渡すAちゃんと、中身を見て褒める同僚を眺める。
褒められて照れたように微笑むAちゃんを見て、なんとなくモヤっとした気持ちが沸いた。
「あ、折原さんにも…」
同僚とのやり取りを一通り終えて、Aちゃんが俺の方を向いて紙袋をゴソゴソしだした。
同僚に渡したものと同じ袋を半分取り出した…と思ったら、「あっ」という小さな声と共に、それを引っ込めてしまった。
「？」
違和感を感じた俺に気付いたのか、Aちゃんは慌てたように別の袋を取り出した。
「あ、えと、折原さんは、こっちで…」
「お、おお…ありがとうな」
差し出された黄色いリボンのかかった袋を俺が受け取ると、Aちゃんは、「じゃ、じゃあこれで！失礼します！」と逃げるように他の奴のところへ配りに行ってしまった。
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しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさん！ご無沙汰してます、コメントありがとうございます〜！SWEET〜のお話は、私が原曲とても好きなので入れさせてもらいました。一応新作もちまちまと制作はしてますが相変わらずいつになるか分からないんで…また覗いてやってください。ありがとうございます！ (2021年4月25日 11時) (
レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ - 更新お疲れ様でした！遅ればせながら全部読ませていただきました、どのお話もすごく素敵でキュンキュンしました…！特に最後のお話はSWEET TASTE PRESENTの歌詞が所々に散りばめられていて、呼んでいてワクワクしました！また次の更新があれば楽しみにしてますね！ (2021年4月22日 20時) (レス) id: 40064b36ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しろ鮎
| 作成日時：2021年2月14日 18時
