第49話 焦りは禁物 ページ2
「手の空いてる者がいたら、部屋まで運んでくれ」
本丸帰還し、玄関で靴や草鞋を各刃が脱いだ直後に鳳凰様の加護が無くなったため、一口団子では回復できない疲労が一気に来て、24振りが仰向けや
「お帰り、大将。お茶持って来たぜ」
「ありがとう。厚」
今作戦で、この本丸の短刀、脇差、打刀をほぼ投入してやっと自分が住む世界の歴史修正を回避したが、決して喜んでいい状況ではない。もし、修正と同時に本丸を襲撃されていたら、2ヵ月前に迎えたばかりの五月雨達を含め遡行軍と戦力差が大きく、確実に敗北していた。人手及び戦力不足が浮き彫りになった事態に、受け取った緑茶の味も相俟って苦い思いをする。
「良かったね。大将の世界の歴史が守られて」
「ああ」
「今夜から、また夜間学校に通うんでしょう? 仕事終わったら、仮眠取りなよ」
微笑みを浮かべた厚は、気遣って隣の部屋に引っ込み、あたしを一人にしてくれた。
事の顛末を記した報告書は本日付で、上司の四代目火影様には紙で。時の政府側の上司、寒松さんには電子版で提出しており、今は部下である刀剣男士達の報告書に目を通していく。再び信濃に声をかけられた時には、卓上に置いた腕時計が16時を差しており、夜間学校へ行く準備をして、表門から現世に向かった。前回、自分の入院中に現世で留守番を任せた同田貫の意見を踏まえて、突然現れるという不自然さを解決するために、表門を開けた先を名島神社一ノ鳥居の外に繋げている。初めて現世に来た陸奥守がはしゃぐ中、生返事を返しながら先に歩を進め、往来で主と呼ぶ彼に現世の住民に誤解を生まないため、自分の事を桐生と呼ばせて集合住宅へ道案内をした。
「米とおかずは冷蔵庫にあるから、それ食べて」
「作り置きにしちゅうって、同田貫から聞いたぜよ。楽しみじゃ」
「それは良かった。たんと食えばいい」
朗らかに笑う初期刀の彼に自宅到着後に留守番を言いつけ、走って通学する中、やはり焦らず地道に合戦場と催し物。たまに入手する根兵糖・上で経験値を稼ごうと決意する。
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作者名:エミリア | 作成日時:2022年10月30日 20時