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ガタガタブルブルと震える子供達を背に、刀を鬼の方へ向ける。








可哀想に、齢10歳程度の子達がこんな経験をするなんて。








もう、終わりにしたい。









私が師範と出会ったのもこのぐらいの年だったかな









「おい女ァ……邪魔なんだよ、俺はお前じゃ無くて後ろの子供に用があんだよ」









『幼児性愛ってやつですか………まぁそれ自体は悪くありませんが』









人を殺すのは、違いますよね?









そう言い放って鬼の首を狙って駆け出す。








………が、あれ、居ない








「其奴元十二鬼月だぞ!!」









お庭から師範が参上して私に向かってそう叫ぶ。









………って、聞いてないんですけどそんなの!ねぇ!!









確かに見れば目には「下弦伍」と言う文字の上にバッテンが刻まれている。









ふーん、“元”一番下から2番目ね、









『ご心配なく!』









さて、どういこうか









後ろの子供達は相変わらず怯え散らかしてる、この子たちは絶対に守らなければいけない









『月の呼吸 参ノ型 三日月乱舞』









今度こそ狂い無く鬼の首を見定めて、技を放つと呆気なく離れるその頭と胴体。









なんて哀れな最期。









でも私は元は人間だったのにね、とか憐憫の情を掛けてやれるほど余裕のある人間でも無ければ優しくも無い









だから消えていく鬼に背を向けて子供達の所へ向かった









『大丈夫?もう鬼はいないよ』









そう声を掛け、7人それぞれに頭を撫でてやると一番上の子が喉を鳴らしながら私にこう聞いた。









「弟は………妹は…………?」









ハッとして鬼の方を見るともう跡形も無く消えていて、そしてその横に立って首を振る師範。








『君たちの兄弟は………』









その先を言えなかった。









余りにも残酷な言葉だったから。









「鬼に殺された、きっと行方不明になったその日のうちに。」









私の言葉を継ぐように、子供達に言う師範。









「そんなぁっ……!!」









わぁっと泣き出す子供達に何も出来ないまま、親御さんの所へ行きなさいと告げその場を去った。









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陸→←肆



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77 - おばさんwwwwwwww (2020年8月5日 21時) (レス) id: a4a9b0649d (このIDを非表示/違反報告)
ルイト - 面白いですねww小芭内さんwwおばさんwwwwwwwwwwwww (2020年6月27日 10時) (レス) id: 428de47700 (このIDを非表示/違反報告)
癒し系猫 - 伊黒小芭内=小芭さん=おばさん=www (2020年6月21日 20時) (レス) id: 5f340e67e1 (このIDを非表示/違反報告)
まっつん(プロフ) - 伊黒さんとの掛け合いがテンポ良くて心地良いです! (2020年6月11日 19時) (レス) id: 4fff5b71b9 (このIDを非表示/違反報告)
狐狸 - アルトリコーダーさん» マジそれな( ^ω^ )/ (2020年6月7日 20時) (レス) id: a73b9ea5c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白瀬 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年6月7日 13時

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