俺の名前は師範じゃない。【鬼滅の刃】 (ページ37)

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丗漆ページ37

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足、痛い。

松葉杖で痛む足を庇いながら蛇屋敷の戸を開け、怨念の篭もった声で只今戻りましたと叫ぶ。

「全く、世の嫁入り前の娘はそんな声をしているのか」

『キーッ！足折られて診療してきて貰ってまたネチネチですか！流石に怒りますよ』

怒った怒った、おこだぞ、私は！！！

とりあえず今夜は師範と距離を開けていないとどうにかなりそうなのでそこら辺にあった着物と羽織を引っ掴んで戸に向かう。

「おい、何処行くんだ」

『水屋敷です、今夜は帰りませんので』

とろろ昆布は棚にありますから、と謎のフォローをしてぷんすかしながら屋敷を出た。

すこーしだけ後ろを向いてみて後悔する。

どうしよう、物凄く悲しそうな顔をしてるよ！！！

ついいたたまれなくなって、大声で

『明日は帰りますからー！』

と叫ぶ。

「近所迷惑だろうがこの阿呆！」

師範と弟子、揃って近所迷惑。

師範ったら、私が居ないと寂しいのかなぁ

それだったら可愛いどころじゃない、愛いってやつ！！！！(悲鳴嶼さんがよく言ってる)

るんるんとしながら辿り着いた水柱邸の戸を叩く。

…………出ない。

『義勇さ………うお』

声を上げると『ぎ』の辺りで光速で戸が開く。

「A！遂に嫁に…………！！！」

何でこんなに瞳輝いてんの、ハイライト入るのチョロすぎない？ねえ？

『嫁に来たわけじゃありません、師範と喧嘩しただけです』

ム、と顔をしかめ、私の松葉杖に目線を移す。

「誰にやられたんだ……Aの綺麗な足が………」

『師範におばさんって呼んだら折られました』

またまたムム！と顔をしかめ、

「伊黒め…………」

と殺意が溢れ出る。只でさえ仲が悪いんだからやめてほしい。

『とりあえず今晩は泊めて貰えませんか、明日には帰るので』

「今晩と言わず毎日………」

『明日には帰りますから』

だって可愛い可愛い師範が待ってるんだもの！早く帰ってあげなきゃいけない。

「そうか………とりあえず湯浴みをしてこい」

『はーい』

頬が緩みっぱなしの義勇さんとの夜の始まり始まり。

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