俺の名前は師範じゃない。【鬼滅の刃】

拾玖 ページ19

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義勇さんは結局師範のネチネチ&久々にまともに仕事をしたであろうおじいちゃんカラスに連れられてイヤイヤながら任務に行った。ヤレヤレ。









「彼奴も物好きだな」









『サラッと私の人権侵害するの辞めて貰えます？』









「事実だろうが、あと3秒以内に店に入らなかったら殺す」









そういうのも人権侵害じゃないの？ねぇ？お巡りさん！！









ハイハイ、とお店に足を踏み入れる。









明らかに私に似つかない色とりどりの着物。









オロオロしながらお店を回っていると、ガシッと肩を掴まれくるりと其方を向かされる。









「オイ、これ着てこい」









持ってきたのは桜餅のような色をした着物。つまり蜜璃の色。









いやアンタ蜜璃の着物見繕いに来たんですか？と問いたい。









まぁしょうがない、と試着してみるも納得出来なかったらしく今度は紫色の着物を押しつけられる。いやこれもしのぶでしょ









「お前は何故似合わないんだ、お前側に問題がある」









『ハァ！？師範のセンスが無いんでしょうが！』









次に持ってきたのは桃色と紫色の中間のような淡い色に花が散りばめられているもの。









なんかいきなりまともな物持ってきた。









着てみると何故か硬直した師範。









あー、どうせ見るに堪えないとかネチネチ始まるんだろうなと少々虚しくなってくる。









が、師範はそのままくるりと店員さんの方を向いて、









『これをこのままくれ』









とお金を渡して言い出した。









訳が分からないまま店の外に出る。









『師範、どうしたんですか』









「………ってたから」









『え？』









虫の息レベルの声の小ささだから聞き直すと真っ赤な顔がこちらをバッと向く。









「似合っていたからだ！！！何とも言わせるなこの石ころが」









石ころ……………









まぁ前の台詞に免じて許してやろう、こんなことを普段言わない癖に顔を真っ赤にしてまで言ってくれた師範が何処か可愛くて撫で撫でを………









「調子に乗るなカス」









『いたいいたいいたいいたい』









手首折れる。









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