俺の名前は師範じゃない。【鬼滅の刃】

拾伍 ページ16

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「オイコラ起きろ飯作れ」









『師範寝不足はお肌に悪いって知ってますよね？』









「そんなに喋れるなら起きろそれに寝過ぎも良くないだろ」









言ってることが正論過ぎて辛い、泣いちゃう









まあでも今日は久し振りのお出掛けと言うことで許してやろうとるんるんでとろろ昆布を作る。









「昨日お前がいなかったせいでとろろ昆布が食えなかったんだぞ反省しろいや猛省だ」









『師範3日ご飯食べなくても良い癖に！！幼馴染が行方不明になったこっちの身も考えて下さいもう』









師範が物凄い形相で私の肩を掴む。あれ、言ってなかったか、やらかした









「おいそれどういうことだ、俺は聞いてないぞ」









『えーーー？だって言ってませんでした、し……』









目の前が暗くなる。ふわりと香る優しい匂い。









背中に回された、華奢に見えてきちんと筋肉の付いている師範の腕。









『しは、ん……、？』









「泣くな、馬鹿野郎」









泣いてない、と言おうとしたけれど口を噤んだ。だって頬に水分を感じたから。









ある程度の悲しみは慣れているつもりだった









それでも泣いてしまう私は、弱い









また大切な人を失うんじゃ無いかって









自分を馬鹿みたいに明るく鼓舞して、ずっとずっと堰き止めていた涙がどっと零れ落ちる。









『私っ、わたしは………っ、』









「うん」









『もう大切な人を失いたく、ないんです…っ、だから、』









「うん」









だから私は、









刃を振るう。









どれだけ悲しみに打ちのめされたとしても。









ただただ頷くだけの師範の胸にすがって、とろろ昆布なんて忘れて泣いた朝。









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